2日目13:59:36/日向町立図書館/前田千尋
「なあ、お嬢さんよ」
「何?」
私は、神主が行った後。
彼と図書館に残された。
私は、恵美の手を引いて立ち上がると、彼が声をかけてくる。
「その、平元って子はどんな姿なんだ?」
「私より少し背の高い、やせ形の少年。すぐにわかる」
私は彼の右手に保持された拳銃に目を落とした。
「その銃は?私物?」
「・・・あっいや・・・拾ったんだ・・・ただ・・・使いすぎてもう弾がないんだが・・・」
「そう・・・貸して」
私は彼から受け取ったワルサーの弾倉に、ポケットに入ってた9mm弾を入れて、渡す。
ポケットに残った弾薬も、彼に渡した。
「ありがたいけど・・・いいの?」
「いい・・・ただ、一つ・・・彼にあっても殺さないで・・・私の所に連れてきて」
私はそういうと、恵美の手を引いて図書館の出口へと歩いていく。
「え?おい、俺も・・・」
背後から、彼の声と足音が聞こえる。
私は恵美の手をいったん離すと、M1を彼に向けた。
「な・・・」
「付いてこないで・・・私は私で探す・・・そして手を下すのなら私の手で殺す」
そういって、驚愕の表情で固まった彼から、元の方に振り向くと、恵美の手を引いて外に出た。
「町の駐在の他に、一人ライフルを担いだ異形が居る・・・彼には見つからないようにね」
私は出る間際にそう言って図書館を出て、学校に入っていく。
恵美の手を引いて、私が通っていた教室に入ると、手を放して壁に寄り掛かった。
「・・・浩司を、殺すのか・・・」
「あのお兄ちゃんのこと?」
「そう・・・私の従兄。でも、恵美をちゃんと、元の場所に返すのが私の役目・・・大丈夫・・・何とかするよ」
私は、さっき彼女の親を撃った手前。
浩司を撃てないとは言えなかった。
「どこに行ったかな・・・あの男は」
私は左手に持った銃を軽く点検すると、再び、彼女の手を引いて歩きだした。




