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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
6.2日目12時~20時:引き換えの命

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2日目13:35:10/日向町立図書館/前田千尋

「なぁ、お二人さん。銃を下ろしてはくれないか?」


私と神主は、急に現れた男に向けた銃を下ろす。

目の前に現れた、少し変わった格好をした男は、ホッとしたような表情をする。

私の背後にいた恵美は、緊張が解けると、私の服を掴んだ。


ここに、4人の生存者が揃った。

私と、恵美と、神主・・・そして今現れた男。

一番奥の郷土資料コーナーのテーブルに座った私たちは、自己紹介を済ませて、目的が同じであることを確認する。


ここ、図書館周辺には異形の者がいない。

先ほどまでの私達の起こした騒ぎのせいで、メイン通りの方に流れていったらしい。


「・・・っていうと?佐藤さんに前田ちゃんは・・・この時代の生まれですか?」

「ああ、俺も、彼女も・・・今は1972年だぞ?」

「え・・・・俺は・・・その、平成に生きてるんだが・・・平成じゃないのか」


そして、若い彼・・・北原は私たちの格好の古さを指摘してきた。

私たちが不思議そうに返すと、彼は何やら聞いたこともない元号を言ってくる。


「へいせい・・・?」

「ああ、俺は1998年に生きてた・・・おいおい冗談じゃないぜ?」

「私からすれば貴方が冗談言ってるみたいだけど?・・・まぁこんなことはどうでもいい」


私は何やら幽霊を見ているかのような目つきで私と神主を見ている彼に言うと、神主の方を見た。


「神主さん。この状況のこと、知ってますか?」


私は、横で私にくっついている恵美をそっと抱き寄せながら言った。

これは小さな彼女が聞いていてもいい話じゃなさそうだったから・・・


「ああ・・・こうなる前にあった祭り・・・そこで行った儀式があるんだが・・・君のところの長男・・・平元浩司がまだ生きているのが原因だ」

「え?」


私は淡々と言った神主の言葉に首をかしげる。


「あの・・・その子の名前、病院で見たんですけど・・・ゼロ号電波とかって何なんです?」


北原が、浩司の名前に反応する。

病院・・・ゼロ号電波・・・後で調べることにしよう。


「・・・・ふむ、そこまで知っているのなら・・・そうだな、この事態に陥ったからには仕方がない・・・」


神主は、私と北原の顔を見ると、低い声で話し始めた。

私も北原も、その話が始まった数分後には、ともに驚愕の表情を浮かべることになる。


「つまりは・・・だ。平元浩司。奴が息をしている限りこの事態は脱せないというわけさ」


私は、最後にそう絞められた神主の言葉に、力なく首を振った。

表情こそ無表情のままだが、動揺はしている。


「で、君。奴と共にいなかったか?」


神主は、話し終えると、私に目を向けた。

私は頷いて口を開く。


「さっきまで・・・何か気になることがあるから付いてこないでくれって言ったっきり」


私はそういうと、神主は何かひらめいたように目を見開いた。


「そうか・・・では行くとしようかな・・・いいか?彼を見つけたら、即刻殺すんだ。そうでなければ・・・徐々に事態は悪化し・・最期はこの世界に飲み込まれる・・・忘れるなよ?」


そう言い残すと、神主は立てかけていた歩兵銃を手に取ると、サッサと図書館を出て行った。


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