2日目11:45:06/平元家/前田千尋
「お姉ちゃん」
気まずい空気を破ったのは、意外と彼女の方だった。
私は顔を向けて、彼女の目を見る。
「先生、死んじゃったの・・・?」
「・・・ええ、目の前で・・・助けられなかった」
彼女は、少し私に怯えながらも・・・何かを堪える様に私の目を見返した。
「お姉ちゃんは・・・兵隊さんなの?」
彼女は私の格好を見ていった。
「・・・そう・・・思ってて」
「そうなんだ」
「・・・私・・・怖いかな」
私が言うと、彼女は少し頷く。
彼女は、未だに私への不信感というか・・・恐怖が拭えてなさそうだった。
「アハハ・・・仕方がないか・・・」
私はそんな反応を見て、自虐的に苦笑いすると、少しでも彼女の恐怖感を和らげようと彼女をギュッと抱きしめる。
「え?」
「ごめんね・・・私、昔からこうなんだ・・・ただ、信じて・・・私は貴女を守り抜いて見せるから・・・ね?」
そう言って、彼女を解放すると、私はようやく立ち上がり、机に置きっぱなしだった銃を構える。
「私についてきて・・・外は怖いお化けが多いから」
私はそう言って彼女の手を引く。
彼女は、少しだけ渋りながらも私の手を握る。
「行こう・・・恵美ちゃん・・・いや、恵美」
私はそう言って彼女の手を引いて部屋を出た。
階段を下りて、いったん立ち止まる。
「何処に行くの?」
「今を終わらせるために・・・調べものをする。図書館に行くよ」
私はそういうと、目をつぶって周囲に異常がないかを確認した。
誰もまだ起き上がっていないのをいいことに、私は外へと出ていく。
先生の死は無駄にしない。
絶対に彼女は生きて返そう。
心にそう誓って、私は道を歩き出した。




