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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
5.2日目8時~12時:幻視で見えた現実

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2日目10:16:25/日向公民館/高橋美奈子

私は、メモ書きを置いて恵美ちゃんの手を引いた。

先ほどから公民館の外側が騒がしい。

きっと、ここも破られるのも時間の問題だろう・・・


「先生・・・外にいっぱい・・・」


いつからか、恵美ちゃんが目をつぶって外の様子を伝えてきた。

目をつぶると、誰かの視界が映るらしく、私も時折目をつぶりながら・・・外の様子を確認していた。


もう、限界だ。

私はバリケードを少しずらすと、公民館の広場から、廊下に出た。

外の、玄関先には大勢の怪物が見えた。

皆、人型ではあるが・・・赤い霧を体に纏わりつかせて・・・・


「恵美ちゃん、目を開けちゃだめよ」


私は彼女の手を引きながら、裏口に回る。

さっき目をつぶっても、誰もここには来ていなかった。


裏口のカギを開けて、外に出ると同時に、背後から銃声のような音と、怪物の呻き声・・・そして、何かが破壊された地鳴りのような音が聞こえた。


「先生・・・どうなってるの?」

「恵美ちゃん、大丈夫だから、先生が守ってあげるから・・・・何処に行けば・・・?」


私は、小さな彼女の手を引きながら、後ろを見ずに走る。


「もう目を開いていいよ、絶対先生を見ていてね!」


そう言って、私は彼女に合わせた小走りで駆け抜ける。


時折聞こえる銃声が、私たちの味方であることを祈って・・・

その銃口が私たちの方を見ていないことを祈って・・・


きっと誰にもバレていない・・・

そんなことを祈りながら、たどり着いたのは、浩司の家の近所だった。


丁度、メモにも書いてきたから、大丈夫。


私は周囲を見て、誰も追ってこないことを確認すると、彼女の手を引いて彼の家がある路地に入っていった。


彼の家は、玄関が開いていた。


私は、目を閉じて、誰もいないことを確認すると、中に入っていく。

階段を上がって、とにかくどこか彼女を隠せそうなところを探す。

偶々開いていた扉の先に入ると・・・そこは恐らく前田さんの部屋だった。


部屋にかかっているセーラー服がそれを物語っている。


タンスに机にベッドに・・・押し入れ・・・ちょうどいい。


私は、彼女の方へとしゃがみ込むと頭に手をのせて言った。


「恵美ちゃんは、この中に隠れてて?」

「え?・・」

「先生はすぐに戻ってくるからね・・・それまで外に出ちゃダメ・・・」


私は、泣きそうな彼女の頭を撫でて、彼女を押し入れに隠す。

手に持った金属バットを握りなおすと、ふーっと深呼吸する。

そして、部屋を出ていった。


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