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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
4.2日目2時~6時:霧の奥の腕

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2日目02:07:03/平元家/佐藤清志

突然の大津波に飲み込まれ、もうダメかと諦めたが・・・

何故か俺は無傷だった。

家も、部屋の調度品も、すべてが何もなかったかのように、さっきのままだ。

闇の中を歩くのには欠かせない歩兵銃も無事だった。


俺は、より濃くなった霧を恨むような目つきで見ると、銃を持って立ち上がる。


「待つよりも、探すほうが早いか・・・手間のかかる男だ」


そうつぶやくと、平元の家の玄関を開けて周囲を見回した。


あの異形の者はこの近辺にはいないらしい。

先ほどまでは聞こえていた呻き声のような鳴き声も、一切聞こえない。

ただただ、街灯に照らされた赤い霧が町を覆っていた。


銃を構えて、照準眼鏡で遠くを見ることはできるが・・・


俺は玄関から一歩踏み出して、当てもなく歩き出した。

役場の一室から始まって・・・教会、漁港、向日葵畑・・・そしてこの家・・・

奴も逃げまどっていることだろう・・・だから今まで行った場所にいるかもしれない。

だが・・・居るとすれば何処だ・・・?


今まで見てきた異形の中には・・・まだ奴の同級生が居ない。

だったら・・・奴と一緒にいるのか?

一人は銃を持っているとすれば・・・そして、腕が立つのであれば・・・そして、息をひそめる場所があるのなら、確かにある程度の安全は確保できるだろう。


だとしたら・・・学校か?


俺はそう思って、とりあえず町の通りに出た。

向日葵の咲くロータリーにつながる、メイン通り。


そこで、俺は今までの考えが外れたことを知らされる。


遠くの人影に身を隠すと、向こうからセーラー服姿の異形が姿を現した。


傷のある場所から赤い霧を吹き出しながら・・・当てもなく歩いていく。


その姿は、どこか知り合いを探すかのようだった。

周囲を見回しながら・・・恐らくもう存在しない自我ではなく、本能で友人の姿を探しているのだろう。


俺は、その姿を見送ると、息をひそめて家々の間に入っていく。

先ほどまでしなかった奴らの呻き声がまた聞こえ出した。


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