初日15:44:21/日向町役場/多野正美
私は前を歩く真由の手を掴む。
「?」
「疲れちゃったから・・・一旦休まない?」
私は、ガクガクに足が震えて止まらない。
疲れた訳じゃない。ただ、出来ることならずっと安全な場所で身を潜めてたいのだ。
私達は、町役場の部屋の一室に入ると、最初のころのように、机の下に身を潜めた。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ・・・あんなの見たくない・・・」
私は腰が抜けてガックリと机にもたれかかる。
図書館へ行こうとしたのは、ずっと前のこと。
だが、人間とは思えない姿をした何かが通るたびに隠れて・・・を繰り返しているせいで全く進めていない。
私が足手まといになっているのは痛いほどに分かるが・・・それ以上に彼女は警戒感がなさ過ぎた。
「ごめんね・・・怖くて足が・・・」
「・・・・・・いいよ。でなきゃ私、ずんずん進んでいけるもの・・・そしたらきっと・・・」
私の横で、彼女は何処か吹っ切れたような顔をしながらも震えていた。
「きっと・・・殺されちゃう」
「・・・・・・なら・・」
「でも、何故か体が勝手に動いちゃうんだ・・・」
真由が私の震える体をそっと掴む。
「でも、ここにいてもきっと直ぐにバレるわ・・・だから、向こうまでの辛抱だから・・・ね?」
真由はそういって私の手を引いて立ち上がる。
「うん・・・」
私は、彼女の手を握ると、彼女に引かれて歩き出した。
「それに、こんな場所にいるよりも、きっと町の中心に近いところに居れば・・・あの子に会えるかもしれない」
「あの子・・・誰なんだろうね」
「髪型からして最近の子じゃないのは確かだけど・・・」
「・・・何処にいるんだろう?」
「丘の上の教会かな・・・」
彼女は地図を見ながら言った。
「図書館から行けば、裏道みたい・・・だから頑張ろ?」
地図を指さしながら彼女は言う。
私は震えながらも首を縦に振った。




