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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
3.初日12時~20時:血に染まった大津波

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初日15:08:59/平元家/佐藤清志

「これは・・・」


俺は机の上の弾薬箱を取って言った。

ここは平元の家の一室。

長男を探してここにたどり着いたが、もぬけの殻で、部屋を虱潰しに見て回って・・・最後に訪れた部屋で、俺は思わず立ちすくんだ。


調度品からは、女の部屋であることが分かる。

学校へ持っていく鞄に、部屋を貫くように伸びる竹棒にかかったセーラー服。

きっと、この間引っ越してきた子だろう。


大人しく、表情すら変えない女。

その目は何処か悟ったようで・・・そして底知れぬ恐ろしさがあった。

あんな目を見たのは、太平洋のある島で兵隊をしていた頃以来だ。


そして、その理由が少しわかった気がする。

机の上に乱雑に置かれた品からは、とても一般人が持つものとは思えないものが出てきた。


大柄な銀色のケースの中からは、ライフル弾に、2種類の拳銃弾の弾薬箱が出てきた。

・・・いくつかの工具類は、銃器類を点検するためのものだろう。


「銃声は彼女が・・・?」


俺は一発分のライフル用弾薬を手に取った。

身に覚えのある形をしている。

ライフル弾というよりは拳銃弾の延長版。

アメリカの兵隊が持っていた小型の単発銃がこんなのを使っていた記憶がある。


俺は、手に取ったそれを戻すと、部屋を出た。

居間に戻ると、テーブルに歩兵銃を置いてソファに腰かける。


煙草を一本口に咥えて、火をつけると・・・すぐに煙を吐いた。


「・・・儀式を邪魔したのはあの子か・・・?1人で・・・ありえない」


あの場が、ああなっているということは・・・長男坊だけではなくあの子も生きているということだ。

今はあの長男坊の始末が先。

きっと、そばにその子もいるのだから、その時に聞き出せばいいだろう。

丁度、邪魔になりだしたあの連中を始末したのなら・・・かなりの手練だろうさ。


きっと、ここに居ればやがて戻ってくる時が来るはずだ。


俺は煙草の煙を吹かしながら、少しだけ気を緩めた。

まだまだ・・・とは思っていたが、年には勝てない。


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