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赤い空に終焉を  作者: 朝倉春彦
3.初日12時~20時:血に染まった大津波

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20/78

初日14:34:21/教会/前田千尋

「撒いたか?」

「・・・多分」


私と浩司は古びた教会に入り込むと、内鍵を閉めて一息ついた。

埃っぽく、そして木の床の一部が抜けそうだが・・・そんなことは気にしていられない。

私は窓の外を見て、誰も追ってきていないのを改めて確認すると彼の横に腰かけて、ふーっと溜息を吐く。


「あの・・・化け物が多いのは港と学校の周辺だけ見たい」

「・・・先生、大丈夫かな・・・」

「あのバリケードを壊されてなければ・・・それに、公民館の周囲に家はないから奴らがフラッと入っても来ないだろうし・・・」

「ただ・・・あそこまで行くのは骨だぜこりゃ・・・」

「そうだね。港側から回るにしても何発かは・・・図書館の方からなんて自殺行為」


私は淡々と状況を整理していく。


今のところ・・・この地域は安全だろう。

ただ・・・いつ港と学校周辺に集まった奴らが此方に来るとも分からない。

それに、奴らは増えないとも限らないのだ。


義昭と加奈を見ればわかる。

きっと死んだらああなるのだろう。


もしそうだとしたら・・・人口に対して化け物の数が少ない。

かといって生存者であふれているわけでもないのだから・・・今後何かの拍子であの化け物が増えてもおかしくはないだろう。


・・・どうすればこの悪夢から逃れられるかは・・・わからない・・・いや、想像は付いたが・・・まだ仮説だ。

それが確定するまでは・・・生きている人間を見つけ出して町の外へと逃がすほうがいいだろう。


あの2人組の女がここにいないということは・・・きっと国道へ抜ければ逃げられるのだろうから。


「浩司」

「何だ?」

「貴方はここから国道へ出て助けを呼んで」

「は?」

「ここで30分待つ。それまでに貴方が戻ってこなければ・・・国道に出られたと考えて行動する」


私は、座っていた椅子から立ち上がると、M1を持って浩司を見下ろした。


「・・・先生たちは私が何とかするから」

「・・・情けない男だな・・俺も」

「行って」


私はそう言って内鍵を開けて扉を開く。

今はこの周囲に誰もいない。

腕時計を見て、時間を把握すると、私は彼をじっと見た。


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