第20話:夏休み終盤の時間管理と、完璧すぎる宿題デプロイ
夏休みもいよいよ終盤。地上階では、遊んでばかりで課題(魔導論文)を一切手をつけていなかった貴族たちが、泣き叫びながらパニックに陥っていた。
「ひ、ひぃぃっ! 課題の提出期限が明日だなんて聞いていませんわ!」
「YARENDEZの代行魔道具『代筆ペン』を買ったが、熱暴走して答案用紙が燃え尽きたぞぉっ!」
焦り狂った貴族たちは、成績優秀(を裏で隠している)ホナのノートを強奪しようと地下へ押し寄せてきた。
『Fランクのくせに宿題が終わっているはずがない! お前のノートを差し出せ!』
地下要塞のリビングでは、すでにすべての課題を初日に終わらせていたホナとルミナリアが、最後の夏休みを満喫していた。
「ホナちゃん、本当に明日で夏休み終わりなんだね……すごく楽しかったよ」
「はい、ルミナリア様。私の時間管理プロトコルにおいて、最高の成果を収めました」
ドンドン! と扉を叩く無礼な貴族たちに対し、ホナは冷ややかに自作の『全自動・模範解答印刷機』を操作した。
「課題の代行は行いませんが、特別に『超難解な模範解答(解読に100時間かかる仕様)』をデプロイしておきます」
シュタタタッ! と高速印刷された用紙が扉の隙間から大量に排出。
貴族たちは「やった! 解答だ!」と飛びついたものの、高度すぎる数式と理論に頭を抱え、その場で知恵熱を出して倒れ込んだ。
「これにて夏休み最終日のタスク処理、完了です」
「ふふ、ホナちゃんと居ると、どんな夏休みも完璧になっちゃうね」
「光栄です、ルミナリア様」
二人は冷えた『ソルティ・カザフ』で静かに乾杯を交わし、完璧でストレスフリーな夏休みの幕を閉じるのだった。
(第1章 完)




