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神さまのテストプレイ  作者: オレオレ!
テストプレイ編
21/22

21.バッドエンド、そして……

チーの放った魔法により、神である僕の体質が書き換えられた。

ヤスの両手の間に挟まれた僕の体は、彼が手をパチンと叩くたび、その容積分だけが霧のように消滅していく。


「……やばい、消される……!」


パチン、パチン、パチン――。


「ちょ、やめろ! 待て!」


パチン、パチン、パチン――。


抵抗も虚しく、僕を構成する神の定義が削り取られていく。

「あ、あぁ、ああああああ……っ!」


パチン。


最後に響いた乾いた音と共に、僕の意識は完全に四散した。


ヤスは大きく息を吐き、忌々しげに手を振った。

「……ふぅ、せいせいしたわ。何が『俺Tueee』だ、ふざけやがって。おい、チー、帰るぞ!」


だが、チーの表情はどこまでも無機質だった。

「……私、および私の本体である神界のノートは、もともと神の一部。

神が消滅すれば、私もまたこの世界から抹消されます。

……ご安心を。あなたには既に『帰還魔法』を施してあります。

まもなく地上に戻れるでしょう」


チーの姿が、足元から透け始める。

「それではマスター、ごきげんよう」


「えっ、ちょ、待て……! チー!」

ヤスの叫びも虚しく、彼は光の渦に包まれ、

一人地上へと強制送還されていった。


四散した工の魂は、極小の粒子である『神素しんそ』の状態となり、

この星の一部として永い眠りについた。


それから、一〇〇〇年の時が流れる。


魔王ヤスは、一〇〇〇年もの時を生き続けていた。

かつての覇気はなく、ただただ虚無を抱えて生きている。

やりたいことも、すべきこともない。

隣にいたチーもいない。ただ死ぬことすらできない、虚しいだけの千年。


一方、工の星では、名もなき星の民たちの間で「世界を創りし神」という概念が生まれ、

信仰として根付き始めていた。

それは図らずも、バラバラになった工に『神』としての称号を正式に付与することとなった。


霧散し、世界中に散らばっていた工の神素が、信仰の力によって引き寄せられる。

偶然の繋がりが重なり、ようやく小指の爪ほどの「塊」になったとき、

工は奇跡的に意識を取り戻した。


小さな、あまりにも小さな意識。

彼は周囲の無関係な粒子に、必死に『命令』を刻み込んだ。


「……すべての工の神素に告ぐ……理力の塔へ、集え……」


伝言は神素から神素へとリレーされ、自らもまた、

唯一の希望である『理力の塔』へと移動を開始した。


神の再起動リブートが、今、始まった。

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