表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神さまのテストプレイ  作者: オレオレ!
テストプレイ編
15/22

15.チュートリアルルーム

根本的に、僕は弱すぎる。

ノートに書き込むには時間が必要だ。

怪しい余所者だと思われている現状では、その「猶予」すら与えられない。


僕はスタート地点を修正した。

誰も入って来られない頑丈な小屋を作り、

その中に転移させる。ここなら誰にも邪魔されず、

落ち着いて現状確認ができるはずだ。


さらに、即死を防ぐためにレベルアップの場も用意した。

小屋から10メートルほどの場所に、初心者専用の低レベルダンジョンを設置。

加えて、初期装備として「翻訳の腕輪」と「魔法書」を支給することにした。


『翻訳の腕輪』:あらゆる言語を理解し、読み書きを可能にする。

たくみの星の魔法書』:全6属性の魔法と、

必要な「ヒロード」が記載されたガイドブック。


魔法書は星の民に読まれると厄介なので、

日本語表記かつ「小屋から持ち出し不可」というプロテクトをかけた。完璧だ。


あとは、隕石騒動の警戒心を解くため、世界の時間を5年ほど経過させる。

「よし……今度こそ、ゆっくりテストプレイを始めるとしよう」


---


卜口うらぐち たくみ、32歳。バツイチ、元会社員。


気がつくと、僕は見知らぬ小屋の中にいた。

どこから入ってきたのかは不明だが、

ここが異世界だというなら些細なことだ。


僕は手元のノートを読み、現状を把握する。

「……なるほど。まずは装備と魔法の確認か」


小屋にあった剣を帯び、魔法書を読み耽る。

どうやら僕は全6属性の適性があるらしい。

杖がなくても火球程度なら放てるようになった。

腕輪も装着する。

ノートには『絶対に外すな』としつこいほど注意書きがあった。

過去に何かあったんだろうか?


準備を整え、僕は小屋の扉を押し開けた。

「へー……ここが異世界か」


目の前には深い森。そしてすぐ脇に、手頃な洞窟を見つけた。

ノートによれば、あそこは『初心者の洞窟』。

レベルアップに最適な場所らしい。

「よっぽど僕の前に来た奴らが弱かったんだろうな。

わざわざこんな場所まで用意してあるなんて」


僕は鼻歌まじりに洞窟へ向かった。


――が、その入り口を跨ごうとした、その時。


「おうおうおう! おめぇ、誰の許可を得てこの穴に入ろうとしてんだ、あぁ!?」


岩影から、見るからに質の悪そうな男たちが現れた。


僕「えっ……? 許可なんて必要なんですか?」


「当たり前だろ! ここは俺たちの稼ぎ場なんだよ!」


ブンッ! と、男の一人が容赦なく剣を振り下ろしてきた。

魔物と戦う覚悟はしてきた。だが、人間と殺し合う覚悟なんて、今の僕には――。


「……っ!」


僕は反射的に腰の剣を引き抜いた。

チュートリアルは、いつの間にか実戦(対人戦)へと変貌していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ