13.始まりの村への道のり
ダメじゃないか。また死んでしまった。
文明人として、川を見つけたら「下流に街がある」
と判断するのは当然の帰結だ。
僕は深く反省した。その結果、一つの結論に達する。
「要は、目指すべき場所が最初から見えていればいいんだ!」
村から数キロ離れた場所に視界の開けた高台を用意し、
そこを新たなスタート地点にする。
村までの道中には、練習用にレベル1の魔物を数匹だけ配置する……
完璧なチュートリアルだ。
意気揚々とノートを書き換えようとした、その時だった。
ノートが無慈悲なエラーを吐き出す。
『【エラー】指定座標は既に「確定済」のため、上書きできません』
「……マジかよ」
そうだった。一度現実化した設定は、
現地にある「確定ページ」を回収しない限り、
神界からリモートで弄ることはできない。
修正したければ、
あの広大な大陸を旅して「理力の塔」まで行かなければならないのだ。
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卜口 工、32歳。バツイチ、元会社員。
異世界に召喚された僕は、チートノートと火球の杖を手に――。
――中略――
結果:死亡。
「……最悪だ」
神界に戻った僕は、頭を抱えた。
地上に降りれば、僕は神界の記憶をすべて失った「ただの人間」に戻る。
つまり、今の「死のループ」を止めるには、
記憶を失った状態の僕が、自力で正解のルート(山登り)を見つけるか、
あるいは川を下った先にある絶望的な難所を奇跡的に突破するしかない。
設定変更は、クリアするまで不可能。
デバッグのための修正をするために、
まずバグだらけのステージをクリアしなければならない。
「……終わってる。詰んでるじゃないか、これ」
自業自得とはいえ、あまりにも過酷なセルフ・テストプレイが始まった。




