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宗教団体「世界愚是教団」の総帥、マンダリ・マンダーラの本名は、
「萬田満夫」というそうだった。
歳は今年で45歳。
両親、家族ともになし。
世俗社会を棄てる前、萬田は総務省組織下の、国家情報統制局に長年籍を置いていた。
いわゆる高級官僚だった。
学生時代は名門校で、政治経済法学に加え、趣味の東洋哲学を履修。
教授陣から聞こえの高い、非常に優秀な生徒だった。
スポーツ面では野球部に所属し、ポジションはピッチャー、花形の四番。対抗戦での活躍は、当時メディアにも取り上げられた。
(つまりは文武両道の、非の打ちどころのないエリート……)
やつの写真は充から、後でこっそり見せてもらった。
統制局に入ったばかり、まだ十代の頃の萬田は、浅黒い肌に太い眉、腹に一物抱えているとは到底見えないスポーツマンで、前途に開けたまぶしい未来にはにかみ笑いを浮かべていた。




