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(誰からだろう……?)
なんの気なしに開けてみて、中身をひと目見た瞬間に。
……たぶんその時、おれの目つきは、一気に変わったんだと思う。
(そうか、やっぱりそうだったのか。『おまえ』はなにも変わっちゃいねぇ)
そうと決まればおれの取るべき行動はひとつだけだった。
「どうされました? 羊一さま?」
「なんでもねぇよ、ちょっと出てくる……」
とりあえずベルをくしゃっとなでて、外出の準備に取りかかった。
「羊一さま、今日はどちらへ? あ、もしかして『パチンコ』かしら?」
おれが玄関を出ようとすると、
「羊一さま、お待ちになって!」
ベルがとてとて追いかけてきて、手にした二つの小さな石を、おれの肩口で「カッ」と合わせた。
「……なんだそりゃ?」
「厄よけの、おまじないですわ! パチンコ、勝ってきてくださいな!」
なにかのドラマの影響か。
「火打ち石」なんて古い物、よくも見つけて来たもんだ。
「羊一さま、ご武運を……」
ひたと手を合わせ祈る姿は、小さな聖母の様だった。
「おい、よく聞けよ、中古めざまし。一度しか言ってやらねーからな……」
——おまえを選んで正解だった。
雷に打たれたようなベルに、親指をグッと立てて見せ。
おれは約束の場所へ向かった。
「仕方ねぇからおまえの未来、ちょっくら守ってきてやるよ」




