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「仕方ねぇな、お子さまは……夢見りゃなんでも思い通りになるって信じ込んでんだから」
「あら、でしたら羊一さまも。ベルとおんなじ『お子さま』ですわ!」
「……なんだって?」
突然、鋭いことを言うから、おれは思わず目を丸くした。
「世界のことを言ってんのかよ? もう無理なんだ、なにもかも……」
——さすがのおれも、諦め時だ。
「あきらめてなんてないですわ!」
ベルはここぞと譲らなかった。
「羊一さまは、いつもそうですわ。『あきらめた』とおっしゃいながら、ずーっと努力を続けてますわ!」
——ほら!
と指差して。
見上げた高い部屋の壁には、
これまでおれが描いてきた、たくさんの絵が飾られていた。
「努力はきっと報われますわ。あともうすこしの辛抱で……」
返す言葉も見つからず、おれが黙って座っていると、
ベルはあわてたように跳ね上がり、用事を思い出したようだった。
「あ、そうでした、羊一さま。『これ』をお渡ししなければ」
——お手紙ですわ。
白い小さな封筒には、差出人の名前がなかった。




