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——ほんとうにしたいことがあるのに、どうしてもそれができない時に。
「……ひとの心は痛むんだ。おれだって、ずっとそうさ。『画家になりてぇ』と思ってずっと、未だにくすぶり続けてるんだ」
自分でも、気づかぬうちに。
本心が口を突いていた。
(絵が描きたい。絵が描きたい。そして、みんなに認められたい……)
涙のしずくがこぼれると、
もはや言葉は止まらなかった。
「わかってる。簡単なんだ。ただ『生きてく』ってだけならな、別にこだわりなんてなくても、どうにかこうにかやってける。だけど、それじゃあ結局ダメで、ただの『趣味』でも満足しない」
——ほんとうの夢が叶うまで、ひとはずーっと悩み続ける。
「飛鳥だって、同じだよ。正義のために戦いたくて、おまえの心はくすぶっている。つらいんだ、おまえは今。それってすごく、人間らしい……」
「シープマン……」
飛鳥は言葉を詰まらせて、瞳をきらりと光らせた。
「『無力』とは、つらいものだな……」
「だれだって、そうなんだ。みんなそうして生きているんだ……」
心の底から欲しいのに、
どうしても手に入らないものや、
うまくいかないことが多くて、
ブチ破れないカベに囲まれ、
それでも毎日歯をくいしばり、
黙って隠して生きている。
その意味で言えばこの場所は。
この薄暗い資料室は、まさに飛鳥の牢獄だった。
おれは、帰ることにした。
で、帰り際、飛鳥に言った。
「飛鳥、ぜってー諦めんなよ。おれだって、諦ねぇ……」
「ありがとう、シープマン。またいつか……ペアを組もう。そして平和が戻って来たら……」
キミの描いた『絵』を見せてくれ……。




