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聞き分けのない、不良少年。
そうしたレッテルを貼られたのは、もちろん、おれたちだけじゃなかった。
反抗心を持ったやつらは、遅かれ早かれ名乗りを上げて、無頼の道を歩もうとする。
そして世間に打ちのめされて、あるいは孤独に耐えかねて、
大抵はまた、元いた「群れ」に、すごすごと引き返してくる。
おれと充はコンビを組んで、よく抵抗した方だった。
勉強に、就活に。
やらなきゃいけないことに追われて、どうにもやりきれなくなった時。
おれたちはこっそり申し合わせ、「秘密の基地」に逃げ込んだ。
箱庭のように閉ざされた、だれにもバレないその場所でなら。
おれたちはありとあらゆる重荷や悩みごとから解放されて、自由に夢を語りあえた。
(『ヒーロー』に、なりたいんだよ。悪いやつらをやっつける、絶対無敵のヒーローに……)
古い夢から目覚めた朝は、決まって胸の傷が痛んだ。
——ヒーローになんてなれっこない。
いつの間にか、おれ自身が、そう思うようになっていた。
現に世界は壊れてくのに、おれにはどうすることもできない。
なんとかしようともがくけど、頼りの充の返事はいつも、毎回、同じ繰り返しだった。
——いまは動くな、シープマン。ヒーロー活動は控えろ。
——わかったよ。わかってるって……。
電話をガチャンと切られる度に、
言えない想いが溜まっていった。
(なあ、充。教えてくれよ……)
おまえ、本気で諦めたのか?
おまえがずっと大事にしてた、
かけがえのない、おまえの『夢』を……。




