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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
5.ヒツジ男とヤギ男
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74/155

5-4



聞き分けのない、不良少年。


そうしたレッテルを貼られたのは、もちろん、おれたちだけじゃなかった。


反抗心を持ったやつらは、遅かれ早かれ名乗りを上げて、無頼ぶらいの道を歩もうとする。


そして世間に打ちのめされて、あるいは孤独に耐えかねて、

大抵はまた、元いた「群れ」に、すごすごと引き返してくる。



おれとミツルはコンビを組んで、よく抵抗した方だった。


勉強に、就活に。

やらなきゃいけないことに追われて、どうにもやりきれなくなった時。


おれたちはこっそり申し合わせ、「秘密の基地」に逃げ込んだ。


箱庭のように閉ざされた、だれにもバレないその場所でなら。

おれたちはありとあらゆる重荷や悩みごとから解放されて、自由に夢を語りあえた。



(『ヒーロー』に、なりたいんだよ。悪いやつらをやっつける、絶対無敵のヒーローに……)



古い夢から目覚めた朝は、決まって胸のキズが痛んだ。



——ヒーローになんてなれっこない。



いつの間にか、おれ自身が、そう思うようになっていた。


現に世界は壊れてくのに、おれにはどうすることもできない。


なんとかしようともがくけど、頼りの充の返事はいつも、毎回、同じ繰り返しだった。



——いまは動くな、シープマン。ヒーロー活動は控えろ。


——わかったよ。わかってるって……。


電話をガチャンと切られる度に、

言えない想いが溜まっていった。



(なあ、ミツル。教えてくれよ……)


おまえ、本気であきらめたのか?


おまえがずっと大事にしてた、

かけがえのない、おまえの『夢』を……。




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