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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
5.ヒツジ男とヤギ男
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73/155

5-3


大八木充オーヤギミツル奈良部羊一ナラベヨーイチ


物心ついた時からずっと、ふたりは幼なじみだった。


「若死病」という呪いのせいで、すべての子どもがたった10年で大人オトナにならなきゃならない世界。


またたくように過ぎてしまった、少年時代の記憶の中で。


おれたちは無二の親友だった。



当時のミツルの印象は、今よりもっと線が細かった。


体つきだってひょろひょろで、泣き虫のくせに負けず嫌いで、そのくせ正義感だけは強く、いつもケンカで負かされていた。


今でこそエラい警視になって、年がら年中、眉間に深ーい「シワ」ばかり刻み込んではいるが、


おれに言わせりゃ「根っこ」の部分は、たぶん変わってないと思う。

(ひと前でわざと他人行儀に振る舞うとことかずっといっしょだ)



……充のことは、だれよりわかる。


おれたちは、ずっといっしょに。

兄弟のように大人オトナになった。


ふたりで同じ学校に通い、

ふたりで同じやつを好きになり、

なにをするにもふたりいっしょで、要は互いに依存していたし、この窮屈な社会に対し、ひどくイラ立ちを感じていた。



あの頃、おれと充はともに、秘密の「夢」を持っていた。


子どもっぽくて純粋で、胸の奥があったかくなる夢。


だけど社会や学校は、ことあるごとにおれたちに向けて容赦ない冷や水をぶっかけた。



(ひとは理想じゃいきていけない)


(だれかの役に立たなきゃいけない)


黙ってそれを理解することが、

大人オトナになるっていうことだから。


教師たちはおれたちの背中に、膨大な量の宿題を乗せ、上からぎゅうぎゅう押し付けてきた。



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