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もっとも、おれは。
元から社会の部外者みたいな立場でコソコソ暮らしてたから、
日々の生活に大きな変化があったかと聞かれればそうじゃない。
相も変わらず働かず、ヌードを描き、パチンコに行き、
なけなしの生活保護を受けて、退屈な時はぐうぐうと寝た。
……充の指令はあの日以来、パタリと絶えて来なくなっていた。
「ヒーローなんてやりたくねぇ」と、これまでさんざんボヤいてきたが、まさかそれが、「こんな形」で実現するとは思わなかった。
まぁ、いいや。
構うもんか。
こっから先は、やっと「自由」だ。
自分の時間を好きに使って、好きなだけ絵が描けるじゃねぇか。
(こんな暮らしに憧れていた。まさに『願ったり叶ったり』だぜ!)
……なのに。
おれの心はいつでもなぜか、モヤモヤとして仕方なかった。
ベッドに入って目を瞑り、浅い眠りに落ちる度。
古い昔の夢を見た。
それはまだおれが5つ6つの、クソガキだった頃の記憶。
遠くぼやけた情景だった。
(なつかしいなぁ……なつかしいぜ……)
夢の登場人物は、毎回、「ふたり」だけだった。




