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まぁ、そんなことはさて置いて。
テレビの中ではチームのリーダー、グラン・ド・スラム(=デカいおっさん)が、マイクを向けられコメント中だ。
「トップ・ファイブは史上最強、まさにドリーム・チームと言える」
——われらに倒せぬ敵はなし。
犯人よ、見ているのなら、今日から大いに震えて過ごせ!
トップ・ファイブが来たかぎり!
この世に悪は栄えんわ!
そして会場を揺らす声で、ぐわらぐわらと大笑いした。
「ベル、音量さげてくれ」
「了解ですわ、羊一さま♡」
リモコンをポチポチ触りながら、ベルはぽつりと呟いた。
「でも、なんだか不憫ですわ。羊一さまにも出番があれば、もっと有名になれますのに……」
「……そりゃあ、おれは『真打だからな。真のヒーローの出番ってのは、いつも遅れてやってくるんだ」
(そうだ、いまに見てやがれ……)
テレビの中で険しい顔をしている充をじっと見ながら、おれはなんとなくさみしくなって、ぬいぐるみ代わりにベルを抱きしめた。
と、その時。
急に会場のレポーターたちが血相を変えてざわめき出して、乱れた声が途切れ途切れにこっちの方にも伝わってきた。
「緊急速報、緊急速報、たくさんの敵が現れました! 場所は『怪人刑務所エリア』……」
「おいベル、音量あげてくれ」
思わず身を乗り出した瞬間、
決定的なひと言が来た。
「しゅ、集団脱獄です!」




