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「奈良部くん、いいのかしら。あんな初心な子、その気にさせて」
立ち尽くすおれの耳元に、家にいるはずの千夜の声が、
はっきり間近から聞こえてきた。
「……盗み聴きとは趣味が悪ぃな」
「あなたがどこでなにをしてても、わたしの耳には筒抜けだもの」
——あなたのことはお見通し。
「それがわたしの『能力』だから」
得意げにそう言う千夜の声は、
なぜか機嫌が良さそうだった。
だが、おれたちがデートを終えて、家に帰ったその直後。
ショッピングモールのその一帯に——
なぞの「隕石」が落下した。
どういうことかさっぱりだが、
地表に巨大なクレーターを残して、
都心の一部は消えてなくなった。
それがすべての「はじまり」だった。




