前へ目次 次へ PR 31/155 2-17 本音《ホンネ》を口にできたなら、 どれだけ気が楽《ラク》だっただろう。 (飛鳥《アスカ》……おれは、『そんなん』じゃねぇ……) そんな立派《リッパ》なもんじゃないんだ……。 正義のヒーローなんて片手間。 (ほんとの夢は別にある……) なんてあっさり言えるほど、おれの心は強くなかった。 飛鳥はそんなおれの様子を、「無言の肯定」と取ったらしい。 「シープマン。今後も頼む……」 観覧車から降りた後、はにかんで、微笑んで。 立ち去る飛鳥の後ろ姿は、なにも知らずに楽しげだった。