2-16
——近くの遊園地に行って、いっしょに「観覧車」に乗ろう。
「『観覧車』? モノ好きだな。だいたいおまえのジェットなら、もっと高くまで飛べるだろうが」
それでも「どうしても」とせがむので、
結局、おれはなし崩し的に最後まで付き合うことになった。
「もうすぐ乗れるぞ、シープマン!」
順番待ちの間中、飛鳥はやたらとテンション高く、手首の電子モニターに向けて頻繁に報告もしていたが。
乗車後はやけに静かになった。
あれだけ「乗りたい」と言ったくせに、
向かいの席にちょんと座って窓の外などロクに見ず、
そわそわと髪をいじってしきりに唇をきゅっと噛みしめている……。
「どうしたよ? なんかヘンだぞ?」
おれがためしに尋ねてみると、
「なんでもないぞ! いい眺めだなっ!」
あたふたとわかりやすく誤魔かし、
それから我に返ったように、ふっと表情を和らげた。
「ほんとうに、いい眺めだな。わたしたちの……守るべき街は」
ちょうどおれたちのゴンドラは、周囲の景色を一望できる、
「頂上」に到達しかけていた。
飛鳥はすくっと背筋を伸ばし、キラキラした目でおれを見つめた。
「シープマン、キミは強い。今日の戦いぶりを見て……またひとつ、確信したよ。わたしはキミとふたりなら、この街を、守っていける」
——お願いだ、これからも。わたしのそばで戦ってくれ……。
触れれば火傷しそうなほどの、
純情に、射ぬかれて。
おれは思わずうつむいた。
受けとめられるはずもなかった。




