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大盛り上がりの空気を割って、千夜がボソッと口を挟んだ。
「……ねえ奈良部くん、ちょっといいかしら」
なんだよなんだよ水差し女。
せっかくひとが超気分よく素振りをお披露目してたってのに。
「前から言おうと思ってたけど……『ネーミングセンス』わるくないかしら?」
——きれいサッパリ・すっぱりソード。
「そ、そうか? わるいかな……自分じゃそうは思わねぇけど……」
——とってもグレート・グレネード。
——犯罪すれすれスレッジハンマー。
——ぜったいころすミサイル。
いいじゃねえか、なんだって。
実際、それで勝ってきたんだ……。
気を取り直し、敵に向き合う。
「待たせたな、サーロイン。サイコロ状に切り分けてやる!」
「ウオオオオオ!!!」
またそれか。
芸がねぇなぁ、見飽きたぜ!
巨牛の放った突進を、エルマタドールよろしくかわし、ひらりと避けたついでに「バサリ!」
やつの自慢の大きな角を、二本まとめてたたっ切る!
「勝負あり! ヨッ、シープマン、にっぽんイチ!」
歌舞伎の「大見得」みたいな動きで「チョチョチョン、チョン♪」とポーズ決めれば、
さすがに理解が追いつかないのかキッズはみんなポカーンとしていた。
……やり過ぎたかな?
まぁ、いいや。
とりあえずこの暴走ロボを動けなくしておいてやろうと、おれが刀を構え直した途端に叫び声がした。




