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事件発生の衝撃は、
瞬くうちに広がっており——
辺りはすっかりパニックだった。
避難勧告のサイレンが鳴り、逃げる大人と叫ぶ子どもの悲鳴が折り重なって聞こえる。
現場に向かう道すがら、モールの通路のあちらこちらで警備用の武装ロボットがバラバラにされて火を吹いていた。
……ただの『暴走マシン』にしては、敵さん、ちょっとやりすぎじゃねぇ?
うちのベルなら暴れたところでこんな騒ぎになりゃしない。
(せいぜい花瓶が割れるくらいだ)
その時。
またも「ビーッ、ビーッ」っと飛鳥の腕のアラームが鳴って、充の声が耳に届いた。
「シープマン、気をつけろ。無線電波を傍受した。敵のロボットの行動は、だれかに『操作』されてるらしい……」
「なんだって!? じゃあ、犯人は……」
「いや。案外、近くにいるぞ」
充の頭脳は冷静に、見えない敵を感知していた。
……幸せそうな者を狙って無差別に破壊行動をとる。
——犯人は「愉快犯」だろう。
「目的は、殺戮じゃない。あくまで自分の力の誇示だ。こういうタイプは『見たがり』で、自分がどれだけ優れているか、他人をどれだけ恐怖させたか、直にその目で見たいと狙って現場の近くに潜んでいるぞ」
「……どうすれば?」
「ジャマをしてやれ。手当たり次第にひとを救って、手当たり次第に敵を潰せ」
——そうすればきっと姿を見せる。
あわてたやつが犯人だ。
(……いつもながら、さすがだな)
こういう場面で充はいつも、びっくりするほど頼りにできる。
おれはもうなにも心配せずに、やりたいようにやればいいんだ……。
「……よし飛鳥、チームワークだ。おれがロボット倒すから、おまえは犯人を探してくれ」
「わかった、任せろシープマン。じつはこの前の反省で、サーチ機能を強化したんだ!」




