↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
2.休日に予定なんてねぇ
PR
18/155

2-4


見た目だけでは分かりづらいが、ベルはそもそも「人間」じゃない。


5歳くらいのガキに見えても、ほんとの用途は「めざまし時計」。

それも特売セールの時に、たたき売りワゴンから買ってきたものだ。



——おしゃべり時計「プリティ・ベル」(定価320円)。


いくらAIが進歩したからって、どんなものにも人格を付けたがる昨今の風潮はヘンだ。


「あの日、羊一さまに選ばれ……ベルの人生、変わりましたわ!」


生活家電がなに言ってんだ。


とはいえ、ここにきた頃は、なにもしゃべらず時間も告げず、いつまたセールに売られるのかと、びくびくしている節があったが——


二ヶ月ほどですっかり慣れて、いまの調子に落ち着いた。


(ちなみにこの『話し方』はたしか、なにかのアニメを観ていた時に、そこに出てくるヒロイン役の『お姫さま』に感動した結果、独自に学んだものらしかった)


「ベルがお姫さまでしたなら……羊一《ヨーイチ》さまは王子さまですわ!」


「ははは、そんなもんじゃねぇ。基本無職でパチンコばっかり打ってる王子がどこにいるんだ?」


張り切りベルはいつもフルパワー。

ただのめざまし時計のくせに、無理して家事までしようとするからいつも失敗ばかりしている。


「うう……ベルは役立たずですわ」


時々あんまり悲しげなので、こっちが気を遣うこともあった。


「だれにだって不得意はあるんだ。そんなに気にすることじゃねぇ」


「いいえ、ベル、努力しますわ! それが『新妻』の役目ですわ!」


……たぶんお昼のドラマなんかも観て参考にしてるんだろうな。



「さあ! さあさあ、羊一《ヨーイチ》さま! お部屋のお掃除《そーじ》の時間ですわ! ほらほらパンツがこんなところに! 羊一さまの……おパンツが!」



その時、ふいに玄関の方で、ドアの「ベル」が鳴る音がした。


「あ! お客さまですわ!」


ほこりはたきを持ったまま、ベルはぱたぱた駆けだした。


そんなに急がなくっても、どうせ充《ミツル》のやつじゃねえのか?

もしくはあれだ、宗教の勧誘。



だが、おれの予想ははずれ……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。