8-13
これまでも、これからも。
きっと生涯を終えるまで、
——絶対に成功なんてしない……。
「仕方ねぇな」と言いながら、自分のことより誰かのことを、自分の夢より世界の危機を、どうしても選んでしまう彼は——たぶん根っからの「お人好し」だ。
そうしていつも、損ばかりする……。
(つまりはそういう人間なのだ、わたしの好きになった男は……)
それをはっきり理解した時。
わたしの胸には言いようのない、ほろ苦さが込み上げてはいたが。
だからと言って、自分の中の気持ちは揺るぎようがなかった。
「そうか、それは素敵だな……ところでだ、シープマン……」
せつなさに耐えかねた心臓が、答えを求めて破裂しそうに、
わたしの胸を打っていたから。
(……一度口にしてしまったことを、『なかったこと』になんてできない)
——さっきの返事を聞かせてほしい。
「『わたしがキミを好きだ』っていう、告白の、返答を……」
勇気を出したつもりだったのに、情けないほど声は震えた。
答えを待つ間に耐えきれず、わたしはつまらないことを言った。
「……まぁ、深く捉えなくもいいぞ! キミは人間、わたしは機械。困らせようってわけじゃないんだ!」
まだ返事を聞く前なのに、どうしてそんなことしたのか。
(わたしは馬鹿だ、大馬鹿だ……)
ざっくばらんなフリをしながら、「心の予防線」を張るなんて……。




