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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
8.絶対無職★シープマン
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148/155

8-12



「キミはそれで……それでいいのか?」


我慢できずに問いかけていた。



こんなにも、がんばって。

こんなにも、傷ついて。


誰かのために自分を捨てて、

大事な夢さえ危《あや》うくなって。


大きな仕事を成し遂げたのに、

それでも世間に認められずに、

日陰の生活を続けていく……。


(……そんなの、あまりにひどいじゃないか)


(だったら、ずっと《《このまま》》じゃないか……!)


悔《くや》しさが、込み上げて。

叫ばずにいられなくなって。


わたしは彼の手をとった。


「こんなところで絵を描いたって……ずっとチャンスが来ないじゃないか!」



……わたし吐き出し終えるまで。


彼はじっと、待っていた。


じっと待って、うなづいて。


見えない両目でわたしを見つめ、


「……いいんだよ」


と呟《つぶや》いた。



「怒ってくれてありがとな。だけど、おれは『これでいい』んだ」


目のことは、仕方ねぇ。

戦ってれば、いつかこうなる。


むしろ「まだ絵が描ける」ってこと、

今の置かれたこの環境に、「ありがたい」とすら感じてる。


……でもな、ひとつだけ言わせてくれ。


「わるくねぇんだ、がんじがらめも……」


強がりでなく、本心で。

彼は苦笑しながら言った。


「なんだかんだで千夜《チヨ》や、ベルや、充《ミツル》やおまえがいてくれる」


そりゃあ、画家として名を上げたいし、ヒーローなんてしたくねぇけど……。



——みんなのことが、好きだから。



結局、「このまま」じゃなきゃいけない。



「……おれはどこまでいっても無職。無職のまんまがお似合いなんだ」



わたしはそれを聞いてつくづく、ため息の出る気持ちになった。


(そうか。だから、このひとは……)




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