145/155
8-9
「なんだよ、おい、痛ぇじゃねぇか……」
「当たり前だ。痛くしている……」
力がこもっているからだった。
想いがこもっているからだった。
「もっとキミの役に立ちたいんだ。今からだって、遅くないだろ……?」
耳元で、そっとささやく。
……彼のデッサンを目にした時、
わたしは「あること」に気づいていた。
胸をはだけたヌードのモデル。
あれはすべて、千夜さんだった……。
ふたりはこの、「密室」で。
(わたしの知らないところでずっと、特別な時間を過ごしていた……)
言いようのない昂揚感が、体の中を駆け巡り。
急に大胆な気持ちになった。
「なんだよ、いきなり。あらたまって……」
——わたしのことも描いてほしい。
唐突すぎる申し出に、さすがの彼も驚いたらしい。
「……本気か? だって、ヌードだぜ?」
うなづくだけじゃ、わからないから。
彼の背中に手を這わせ、もう一度、想いを告げる。
「キミのことが、好きなんだ……」




