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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
8.絶対無職★シープマン
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144/155

8-8



驚《おど》かさないよう、ゆっくりと、

わたしはベッドのそばに寄り。


「包帯を……とってもいいか?」


「ああ……」


しずかに彼は答えた。


しゅるしゅると白い布を解《ほど》くと、

額から眉間にかけて走る、深い傷跡が露《あら》わになった。


安らかに目を閉じた表情。


それが棺《ひつぎ》に収まる前の、冷たい「死相」のようにも見えて。

途端にわたしは哀しくなった。


白いヒーロー・マスクの下に、ずっと隠していた素顔。


「戦う男の顔」と呼ぶには、頼りなく、儚《はかな》げな。


それは芸術家の顔だった。


研ぎ澄まされた感性と、暗い情熱の宿る目元。


わたしは素直に見惚《みと》れつつ、同時に後悔を覚えていた。



(どんな理由があるにせよ、彼は戦うべきでなかった……)



二度と戻らないものを悼《いた》んで、わたしがしばらく黙っていると、


「なんだよ、ゴミでも付いてるか?」


彼はかつてのようにおどけて、それから不安げな顔になった。



「おい、飛鳥《アスカ》……なんとか言えよ。ちゃんとそこに、いるんだろうな……?」



気づけばわたしは何も言わずに、黙って彼を抱きしめていた。


そうせずには、いられなかった。




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