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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
8.絶対無職★シープマン
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140/155

8-4



わたしに課された役割は、体裁《ていさい》のいい「マスコット」だった。


まるで自分の意思など持たず、用意されたコメントを読み上げ、期待通りのポーズでカメラに応じるだけのお人形。


警察組織のイメージアップを図るイベントに呼ばれる度、名士と言われる人々はみな、わたしを口々に褒めそやした。


——もっと自信を持ちなさい。


——きみは立派なことをしたんだ。



(ちがう。そんなの、デタラメだ……)



(こんなのは、正義じゃない……)



無神経なマスコミに追われて、フラッシュをたかれる日々に疲れ、ほとほと嫌気がさした頃。


(彼に叱《しか》ってもらいたい……)


そんな不思議な気持ちがわいた。


かつてわたしが間違う度に、「ポンコツ」と呼んでからかった、

あの優しげな笑みを想うと。


今の偽りの自分を捨てて、思う存分、彼に甘えて、

……そしてちょっぴりケンカもしたい。


(わたしが素直になれたのは、彼の包容力のおかげだ……)


あの独特の「ゆるい空気」が、今さらになって恋しくなって。



わたしはついに意を決し、彼を——


奈良部羊一の元を、ひとりで訪ねてみることにした。




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