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(彼に会いたい……)
という想いと、
(会ってもいいのか……)
という迷いが、わたしの中で錯綜していた。
できることなら、すぐにでも。
怪我の様子を確かめたい。
(……だが、もしかすると彼は『わたしとの面会を望んでいない』のでは?)
無音の月日が経つにつれ、そんな不安も膨らんでいた。
——わたしが彼に会いたいように、向こうもわたしに会いたいのなら。
(どうして《《彼の方から》》未だに連絡のひとつもないのだろう……)
まごまごしている間にも、身辺はどんどん慌ただしく、否応もなく変わっていった。
まず部署異動を命じられ、
「文書保管室」を抜けたわたしは元の「刑事課」に戻ることなく——
来期新たに発足される、「サイボーグ・ポリス・チーム」のリーダーに選ばれる運びとなった。
選任理由は即席で、「対テロ作戦におけるめざましい功績」を賞してとのこと。
警視総監じきじきに、わたしを評価しているという。
——危険なテロ組織に潜入し、《《たったひとりで》》戦い抜いて、国を守った若き英雄。
記者会見のカメラの前で、そんな紹介を受けたわたしは真面目な顔で固まっていた。
(どんな時にも冷静な、『史上最高の警官』だって?)
スカイ・ヴィジョンに映し出された、わたしは最低にみじめだった。
(これが『評価』、これが『功績』……)
「彼」が聞いたら笑うだろうか?




