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……世界ってのは、人間ってもんは。
離れて見れば、こうも綺麗だ。
わるいヤツらにダメなヤツ、中には色んなヤツがいるけど、
身を寄せ合って、みんな生きてる。
だから嫌いにならないでくれ。
人間を見捨てないでくれ。
みんな弱くて身勝手で……だけど絵に描く価値がある。
(綺麗《キレ—》な部分を持っているんだ……)
普段じゃ絶対言えないことを、気づけばすらすらと話していた。
ダメダメなおれの中にもきっと、そういう部分はあるんだろう。
(ちゃんと伝わってくれたかなあ……)
不安になったおれの体を、飛鳥の固い腕が抱きしめた。
「ああ、そうだな、この景色……いつまでも覚えておくとしよう」
「もし忘れても平気だぜ。何度でも、絵に描いてやる」
——見えなくっても、わかるんだ。
「うむ……それは、楽しみだ……」
飛鳥の喉がちいさく鳴って、声音が変わったような気がした。
「帰ろうか、シープマン。キミの家に……あのビルに……」
「ああ、そうだ……みんな待ってる……」
その時、不意に冷たいものが、
壊れたマスクの割れ目に染みて、おれの頬っぺを少し濡らした。
サイボーグが泣くわけもなし、
それはたぶん、気のせいか……
——空気中の水蒸気だろう。




