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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
7.絶対無敵★シープマン
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135/155

7-25



周囲から音が消えたのは、おれたちふたりがあまりに高く、

さびしい場所に来たからだった。



成層圏にほど近い、底抜けに青い大気の海で。



初めて生まれた命のように、

おれたちは、抱き合っていた。



「満足したか? シープマン」


飛鳥《アスカ》はおれに聞こえるように、「こつん」とおでこをつけてたずねた。


(やれやれ、子どもをあやすみてーだ……)


苦笑しながらおれは答えた。


「まーな。でも、おれのためじゃねぇよ……いいから『下』、見てみろよ」


……見おろせば、そこにはきっと。

おれたちが命懸けで守った、「あの街の空」があるはずだった。


「どーだ、なかなか綺麗《キレー》だろ。観覧車からじゃ、こうは見えねぇ」



だけど飛鳥《アスカ》は喜びもせず、じっと無言のままだった。


「どーしたよ、なんか言えよ……」


「ちがう……こんなものじゃない……」


やっとひと言はき出して、小さく首を振るその動作は。


これまでのどんな表情よりも、おれの心を締《し》め付けた。


(今、飛鳥《アスカ》の心の中で、これまでずっと大事にしてきた『信念』が揺らぎかけている……)


それだけは、避けたくて。

おれは飛鳥《アスカ》の髪を撫《な》で、何度も何度もささやきかけた。



——飛鳥《アスカ》、おまえはいいやつだ。



「おまえはえらい、おれが認める。今までだって、ずっと真面目《まじめ》に、おまえは正しいことをしてきた」



これからだって、それでいいんだ。

おまえは誇っていいんだよ……。






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