7-19
(こいつはただの悪人じゃない……)
なんとなく、そんな気がした。
悪事をしながらやけに潔癖。
逃げも隠れもしない姿勢は、敵ながら見事だと言えた。
……さっきの野球勝負もそうだ。
(ほんとはあんなの受けなくたって、余裕でおれを叩きのめせた……)
「なんでだよ……」
だから言葉が、思わずぽろりとこぼれ出た。
(おまえもおれと、『同じ』じゃねえか……)
なんだか知らねぇ宇宙のパワー、突然受けて、無敵になって。
そっから戦い出したんだろう?
——だったらなんで、「わるもの」なんだ。
(なんで「こっちの側」じゃねぇんだ……)
それを思うとやるせなかった。
「あんたほどの、力があれば……!」
——「ヒーロー」にだってなれたはずだろ!
「ふ、ふふふ……言ってくれるな」
瀕死のマンダーラは可笑しげに、だが幾分かは本心で、満更でもなさそうに笑った。
「汝は何も知らぬのだ。だからそうして粋がれるのだ。世界を救う、ヒーローなどと……」
ヤツの乾いた笑いには、どこか自嘲の響きがあった。
そしてしばらく黙った後に、
「シープマン……」
おれの名を呼んだ。
「よかろう。ならばしかと聞け。この世を覆う真の闇を……」
ぽつりと漏らした次の言葉は、おれと飛鳥を驚愕させた。
——「若死病」は……病ではない。
人の手で、造られたのだ……。
「なんだって……どういうことだ???」
マンダーラは深い息を吐いて、
静かにすべてを語り始めた。




