7-3
もう、ガードなんて使わない。
避けるも守るもメンドくせぇ。
殴り殴られ蹴り蹴られ、肉が潰れて骨が軋んで、だけど止まらぬ「ド突き合い」。
(男と男の喧嘩ってのは、倒れた方が負けなんだ……!)
勝負はおれに分があった。
変則的に振り抜いた肘。
それが相手の顎に当たって、
「ガツン!」と鈍い音と同時にヤツのラッシュが停止したのは、おそらく気絶したからだろう。
もう完全に腕が下がって、打たれるままになった野郎は、言うなればただのデク人形。
ぐいぐい壁際まで押しやれば、
サンドバッグの完成だった。
(いける……いけるぞ、押し切っちまえ!)
……けれど果敢に攻めながら。
おれは心のどこかに暗い、「一抹の不安」を抱いていた。
——この変身は、諸刃の剣。
「スーパー化」に伴う「反動」は、すでに気合いでゴマかしきれないレベルで自覚されつつあった。
(なんだよ、この……消耗感……)
腕が重い。
脚が硬い。
頭がなんだかズキズキ痛む。
体験したことのない疲労が、体の節々に溜まっていく。
(残念ながら余裕はねぇぞ。そろそろ決めなきゃ後がねぇ……!)
「ブシュー!」と白い蒸気を出して、必殺ワザの構えをとると、痛みは増してきやがった。
(たのむ……身体、もってくれ……!)
カラカラの喉で声を絞る。
「ひゃっ……くまん……れんぱつ……!」
重てぇ腕をガシッと上げる。
『一〇〇〇〇〇〇連発、フィーバー・パンチ!!!』
「……ッ、オラアアアアアアッ!!!」




