6-13
つまるところはそんなもの。
おれの器はその程度。
だが意外にも敵さんは、そんな等身大の闘志を快く受け取ったみたいだ。
「小さき者よ。だが、いいだろう……汝の身体に刻んでやろう」
——我が「博愛精神」を……!!!
(ボ、ボランティア……??)
なに言ってんだ???
(まあ、いいや……先手必勝!!!)
勢い付けて飛び出して、
全体重を乗せたパンチを不気味な仮面に叩ッ込む!
「オラァ!」
——効かぬ。
効いてなかった。
拳を額に受けたまま、マンダラ野郎はよろめきもせず、
余裕の声でささやいた。
「効かぬ。打撃はこう打つものだ」
「ぐっ……!」
途端に視界が揺れた。
腹を捉えた鋭いパンチ。
思わず身体が「く」の字に曲がる。
そこを狙ってもう一発。
今度は下がった後ろ頭に、打ち下ろすような鉄槌パンチ。
(おいおいマジかよマンダーラ……殺す気マンマン・マンダーラ……)
冗談言ってる場合じゃねぇ。
地べたに激しく叩き付けられ、息が止まったおれの体に踵の踏み付けが襲いかかる。
(さすがにソイツはもらわねぇ……)
キワドいところで躱して立つと、敵は興奮して吠えた。
「ふふふ……ボラ、ボラ、ボラン・ティーア!」
必殺の、かけ声なのか。
それともただの変人なのか。
コンビネーション・パンチを打つたび、ヤツは「ボラボラ」やかましかった。
「ボラン、ティーアー! ボラン、ティーアー!」
最初の「ボラン」で顔面パンチ、つぎの「ティーア!」でボディブロー。
意味不明。
でも、超痛ぇ……。
しかもこっちの攻撃は、なんだかぬるぬるとした動きでひらりひらりと回避しやがる。
「ちっ、くしょう……舐めんじゃねぇ!」




