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……あなたは弱いわ、奈良部くん。
あなたが思っているより、ずっと。
あなたはただの一般人。
力はNOVAの借り物よ?
あなたの腕は細腕で、絵筆を持つので精いっぱい。
格闘技なんてできないし、武器の扱いだって下手。
でも強くなる努力はしないで、
楽観的に「どーにかなるさ」と傲慢に、うぬぼれて。
これまで「なんとなく」やってきた。
(なんとなく、生きてきた……)
「ずっと近くで見つめてたから、わたしには、わかるのよ」
千夜の声は、染みいるように。
責めるでもなく叱るでもなく、深い哀れみを感じさせた。
——あなたにあるのは「勇気」だけ。
「なけなしの、『勇気』だけよ」
……あなたって、勇敢なひと。
弱くても、ずるくても。
どんな運命からも逃げずに、だれかのために戦うひとを、
天はきっと、見捨てない。
これまでだって、そうだったでしょ?
だからこれまで、やってこれたの。
結局、長い前置きをして。
戦いに臨むおれに対して、
千夜がほんとうに伝えたいのはまるでシンプルな言葉だった。
「……幸運を、祈ってるわ」
「……ありがとよ」
〈5ポイント〉
白い蒸気が体を包み、
覚悟を決めて、おれは叫んだ。
——変身ッ!




