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魔珠  作者: 千月志保
第13章 光の柱
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光の正体(2)

 マーラルの研究所で見た魔術兵器が水晶玉程度の大きさだったことを考えると、確かにこの装置の大きさには疑問を感じざるを得ない。レヴィリンも首をかしげる。ただ球体の中には魔術兵器と同じように美しい光が浮遊している。

 光を見ているうちにスイは不思議な感覚に捕らわれた。何かが自分と呼応しているような感覚。何かは分からないが、はっきりと感じる。

「取りあえず問題はなさそうだ。作戦を続行しよう」

 レヴィリンの声でスイは現実に引き戻される。

 球体を魔力で支えているアラバスが視界に入ってくる。アラバスははっとしてこちらに気づく。目が合った。

 顔色が悪い。

 レヴィリンは二人の様子に気づくこともなく続けた。

「術式を解除する」

 何となく嫌な予感がしてスイは剣を構えた。

 レヴィリンは浮いている球体の方を向いたまま目を閉じた。意識を集中させる。先ほどまで部隊の魔術師たちと分析し、明晰なその頭脳で導き出した術式を記憶の中から少しずつ引っ張り出しながら魔法陣の形をイメージしていく。複雑な術式のため、少しの時間を要したが、レヴィリンが前に手を突き出すと、鮮明なイメージはほどなく美しい青い光の魔法陣となって現れた。魔法陣は球体と同じくらいの大きさになり、何層もの円の間にはびっしりと複雑な古代文字が敷き詰められていた。

 魔法陣の中心から球体に向かって膨大な魔力が光となって注がれる。

「下がって」

 球体に光が当たって砕けるのと同時に人の頭の形をした光が無数に飛び出してきた。スイが青竜を振るうと、光は消滅した。だが、次々と襲いかかってくる光を全て追い払うことはスイの剣の腕をもってしても不可能だった。

 魔術師たちも応戦してくれたが、魔術は光には通用しないらしく、何事もなかったかのように攻撃をすり抜けていく。

「何だ、これは」

「これは……呪術ではないでしょうか」

 戸惑う魔術師たちに青ざめた顔のアラバスが呟く。

「この中に、見覚えのある顔はありませんか?」

 マーラルの魔術師たちがぎょっとする。確かに。ヌビスに命じられて城の地下通路の牢獄から連行した政治犯がいる。魔術研究所や城内のヌビスの研究室に連れて行った。

「後ろに下がって結界を張ってください」

 スイの声に反応し、魔術師たちが充分なスペースを空けて後退する。

 スイは身動きが取りやすいように数歩下がると、まとわりついてきた光をくるりと飛び上がって一掃した。

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