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第4条:余裕が出来ると人は二極化する?

 自分の意思で選んだ道だ。後悔はしても引きずってはいけない。

そういうことで俺はエーレドネィの一派に正式に加わることとなった。


「本当に身の回りのお世話係は要りませんの?」

「要らないよっ!」


 嘘です本当は俺専属メイドさんとかバトラーさんとか欲しい。エロいの含めて

メイドさんは言うまでもないが、バトラーさんはガチ本音で生々しいことを言えば、

カッコいい爺さんを見て素直に尊敬して年老いることへの恐怖を

少しでも楽しみに変換できたらなぁってのがね…? ほら、

「年寄り笑うな行く道ぞ」って言うじゃん?


「何でしたら私が…」

「姫様…悪ふざけも程ほどになさいませい…!」

「私ふざけてませんわよ?! そういうのもイアルマス様だからこs」

「分かり申した! 分かり申した!! ですが今は…!」


 主従関係というよりは孫と祖父というかなんというか…。

まぁしばらく言い合いさせておくか…朝飯ゆっくり食いたいし。


「…あ、すみません。悪いんですけどお茶のお代わr」

「ひぃっ!?」


 近くを通りかかったメイドさんについ手を伸ばしてしまって

物凄く怯えられてしまった。魔力探知能力のメジャーっぷりが

悲しいなぁ…。


「ヨハンナ…貴方という人は…!」

「も、申し訳ありませんお嬢様! イアルマス卿!」


 ぬ、卿って呼ばれるとなんだか渋良い男っぽく聞こえる…!

合算年齢だともう四十路は余裕越えだったし…悪くないな。


「やめてくださいよヨハンナさん。俺、平民っすよ?」

「そういう問題でわわわわわわわはわはわわぁ!?」


 間違いなく俺の素性と一応隠してる魔力に怯えきってますな。嫌いな奴らが

そう振舞うのは色々と邪な心が満たされていくが、普通に好みな見た目の

ヨハンナさんに「嫌よ私まだ死にたくない!」って顔されるのは辛い。


「うぬぬ…魔力の偽装は我らが西大騎士卿ヴェストリッターケーニッヒ伯家の宝物を出し惜しまねば

如何様にも偽装はできるじゃろうが…」

「問題はイアルマス様の頬からほぼ全身に及ぶ超絶大にして偉大な召喚紋ですわ。

こればかりはそれこそ伝説級の身体偽装魔術でもないと…せいぜい特注の

魔術包帯とかで上手にお隠しになられるしか無くってよ…?」


 そうなると…とか言って何処から出したのかソロバン勘定を始めるエーレ。


「うぬぬ…やはりワシらは単なる厄介を招いただけかも知れぬ…」


 イーゲルン爺さんの言い方が棘だが最もではある。

俺だって同じ立場なら即逃げ出して何も無かったように振舞うわ。

しかし俺はこのまま追いつ追われつ殺し殺され~…なんて人生真っ平ご免。

そんなわけなので上手いこと辺境の金持ちスローライフの為にも頑張りたい。


「って! イアルマス様の為に出し惜しみだなんて万死ですわよ!!

さあイアルマス様! とりあえず色々とお試し致しましょう!!」

「およよ…ッ!?」


 未だ幼女然な見た目だが美少女にぐわしと腕を掴まれ引っ張られる…

こんな素敵シチュエーションっ…! 流されない理由など毛頭無いッ!!

…んー…でも豪華な朝ごはんもうちょこっと食べたかったでござる。


>>>


 エーレにされるがままに着せ替えられた俺。

鏡で見れば誰がどう見てもダメ貴族親の糞中二ドラ息子感が否めない。


「エーレ…ただでさえ包帯姿が目立つんだから貴族の格好はどうかと思うわ」

「何を仰いますのイアルマス様!? いずれどうしようが遍く全てを支配なさる

唯一世界皇帝と成られるのは自明の理ですわよ?! そんな貴方様がそこら辺の

ゴミ共にすら劣る格好だなんて天地神明と私と全ての生きとし生けるものが…!」


 おうふ…ダメだこのお嬢様。完全に目からしてイッてやがる。


「姫様…どう足掻いても胡散臭い用心棒ゴロで通したほうがまだマシですじゃ」

「何か俺今すっっっごくイーゲルンさんと組み手したくなったわ」

「……すまぬ!! じゃがワシを殺すのはあの豚皇帝を虐殺して

姫様の花嫁衣裳と可愛過ぎて死ねるだろうやや子の約束された強固無敵な未来を

見届けさせてからにしてくれい!!」


 …わかったわ。この爺さんも爺さんで結構己の欲望に忠実なだけだわ。


「用心棒ですか…であれば信憑性の為にも何人か暗部の怪物達を雇って…

…あぁ、折角荒稼ぎした財貨がハッキリと目減りしていきますわぁ…」


 もう心は色々汚れちゃったエーレを見ていると何か辛いわ。


>>>


 そういうわけなので、俺達は偽装を完璧にする為

ヴェストリッターケーニッヒ家以外の悪辣な連中も贔屓にしてる闇ギルドに来た。


「…固まってやがる」


 何がって俺を一目見た数多くのザ・暗殺者にジ・外道魔術師やらどう見ても

スーパー大盗賊なオッサンお兄さんお姉さま老獪ジジババどもがだ。

こういう世界で生を謳歌してる連中ってのは色々鋭くないとダメだから、

キチンと隠せてるはずの俺の見た目やゲロクソテラ魔力がモロバレしてる希ガス。


「今は喜んじゃダメなのですわ…ああ、でもその視線がとても気持ち良い…ッ!」


 ダメだこの幼女エーレさん絶対もうキてる。殺人処女とか絶対卒業してるわ多分。


「ほ、ほひょひゅお本日は何をおももお求めでででえ…?」


 凶悪ベテラン達が絶句する様を見て察したのか、見た目はどう見てもお前は

受付って言うよりどこかの組織のボスとしか言いようの無い見た目の男が

絶対言いなれてない丁寧な言葉遣いをどもりまくりながら頑張ってらっしゃる。


「人手が欲しいんですの。予算は要相談ですが、損はさせませんわ!」


 すごくエーレが格好良いんだけど、「絶対ウソだ俺、自分の死相が見えるもん」

って言いたいんじゃないかと思われる受付男に俺は何とも言えない気分だ。


「えーと…? そこの用心棒の大先生がいらっしゃるのに

まだ人手とか居るんですかい?」

「その慧眼は白金貨100枚に値しますが、このお方の為にも必須なのですわ」

「い、今ウチにはお宅様の求めるようなイカれ…いや勇猛な連中はちょっと…」


 受付男さんは縋る様に固まってた連中を見やるが、全員目を逸らすか

「馬鹿ヤメロこっち見んなマジで」とか「関わるくらいならお前殺したほうが

百億万倍マシです」だの「話しかけたらマジ足洗うから」なんて推測できる顔で

超御丁寧にお断りのポーズ大連発。受付男の目尻に全く似合わない涙がジワる。


「うひ、うひひ…なぁんか超楽しそうな話ぃしてるんだにゃああ?」


 俺を一目見たときから怯えるどころか超マジ糞キモ怖良い笑みを浮かべて

嘗め回すかのごとくガン見しっぱなしだった目元と耳四つ(ケモ耳+エルフ耳)に

それ何て呪いのアイテム? って言いたくなるレベルのピアス的なアクセを

デコりまくってあまつさえ歯の一部もギラギラした魔法金属な人工歯を

インプラントしまくったどう見ても120%何かに取り憑かれてるだろう

超ヒャッハー系だがそれでも美形な超混血種族イカれお兄さん(?)が

これでもかと装備したジャランジャランと隠す気配ゼロな凶器を揺らしながら

割と普通に尻の穴に危険を感じるマジでアスタリスクな雰囲気モロ出しでこっちに来た。


「……普段であれば近づくのも汚らわしいですが…ですが、御誂え向きですわね」

「ふひ、うひひ…! おらぁマジで冥王に愛されてるなぁ…うひひひひ!」

「さ、サーベラス…まだ生きてやがったのか…!」

「うひぃ…? ………ああ、何だ、ギルマス、居たのか」


 受付男は闇ギルドのマスターだったようです。そしてサーベラスと呼ばれた

このマジ糞イカれお兄さんはそのイカれ具合が闇ギルマス相手にはまるで無し。

黙ってればメタ中二ラスボス感が半端ない冷血イケメンに見えるのが凄ぇ嫌だ。


「……うひ…まあ良い…なあお嬢さん。俺ぁを雇え、代金は適当で良い。

必要なら適当に調達すれば済むことだからな。そして答えは聞いてない」

「えぇぇ…!?」


 俺は激しくお断りしたい。でも多分こんなのしか寄ってこない。そんな希ガス。


「……………………サーベラス…いるのね……じゃあ、アテクシも」


「んあ?」


 何となくすっ呆けてみたが、俺の背後にずっと気配を消して

(俺はドラゴン様の加護で知ってたが敢えて無視してた)くっつきそうなレベルで

立ってた顔半分が黄金の髑髏仮面でオブジエンド系魔王魔法少女な

毒々しい色の長髪で蒼白いドブ色系オッドアイ少女(?)が口を開いた。


「ひゃああああああああああ!? 出たああああああああああッ!?」

「何でディスソピアー・デミウルゴス=オルデストロイ・トゥアハデダナーンが

こんな程よく二流な闇ギルドにしれっと居るんだよおおお!?」

「冗談じゃないわアタシマジでこの瞬間から足洗うわよおおおおおおおお!!」


 やだ、もうそれだけでお腹一杯ですだよ。っていうかギルド閑古鳥じゃね?


「あばばばばばば…!」


 闇ギルマスさんは泡吹いて立ったまま気絶してるようです。


「…この界隈で血肉を喰らい続けて本当に良かった…

まさかこんな所で純粋極大悪アンリマンユが二人だけでなく…

それすら鼻で笑えそうな御方まで…」


 俺お腹一杯って言ったんだけど口にしてなかったのでまだ終わりそうにないわ。

 だって唯一人カウンターで何か煮えたぎってる毒液としか言えない液体を

酒代わりに煽りまくってた一見は天使か何かと見まがう聖騎士然なのだが、

よく見りゃ額に何か丸くガラスみたいなのが埋め込まれててそこから脳みそ見えて

さらに目が四つあるし瞳には何かそりゃーおぞましい紋様が浮かんでるし、

オマケに腰と背中に大逆魔剣か大邪妖刀かとにかく触っただけで

前の俺なら四千万回は死ねそうな感じのクソやばそうな刀剣類と

この世界には一万パーセントくらいオーパーツってレベルじゃねえくらい

ゲロ吐きそうなレベルで邪悪な装いのグロゴツい大口径ハンドキャノンを携えた、

細かいところに目を瞑れ(るワケねえって)ば一部の女性ウケするのは間違い

ほんのり渋イケメンが此方を見てボコボコ液体入ったグラス掲げていますた。


「あ、自己紹介とか――「これは失礼した。愚禿ぐとくの愚名はゼーゼ…

ゼーゼヴォーパルシオン・シーロォグミーカ=ヘルノーヴァエルリエルと申す。

コンゴトモヨロシク…遥か彼方の御方よ」――諸々要らねぇって言おうとしたが、

満を持して無意味だったわフヒヒサーセン(嗤)」


 イーゲルン爺さんはもう口から魂抜けてそうだった。

でもエーレは俺を何度も見ては踏み留まっ…


「………うふふふ…深謀遠慮なんてクソ喰らえですわ…あの豚皇帝が

泣き喚いて全部を漏らしながら許しを請う様が幻視できますもの…

にゅふ、にゅふふふふふふふふふふぁはははははハハハハハハハハハ…!」


 もう壊れてたから関係なかったわ。

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