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第5条:そりゃーもう進むって色々と…

 さて、どう足掻いても俺がノーと言えばエーレと爺さんが

何の意味も無く死ぬような気がしたので、おkするほか無いのよ?

このどう見たってラスボス系な三人がパーティエ゛ンッ! するのをね?


「…全然刺さらない、わ………貴方の血が欲しいのに」

「のっけから何してんだよディスソピアーなんちゃらかんちゃらさん」


 俺が色々逡巡してる間もこのディスソピアーなんちゃらかんちゃらさんは

俺のあちこちに邪悪そうな五寸釘的な針をチクチクしてくる。

多分普通だったら刺さったどころじゃ無いんだろうが、そこはまぁ

最凶ドラゴン様の加護で痛みもヘッタクレも無いので良いんだが。


「………アテクシのコトはピアと呼んで。

………貴方はアテクシをそう呼ぶが相応しいから」

「………」

「………血がダメなら適当な体液を頂戴。………出来れば白いのをココに頂戴。

貴方の血とアテクシの血で遍く全てを滅ぼす神滅子を作りたいから」

「………」


 これはひどい。ディスソピアー改めピアはわざわざ下腹部を晒して言ってくる。


「うひひひ…! ついでにおらぁも間男して良いかにゃアバッほおおおおおお!?」


 俺はマジ糞イカれお兄サーベラスを割りと本気のデコピンで弾き飛ばせば、

ギャリギャリギャリギャリと地面を抉りながら近くの丘に埋まった。


「ほぉ…流石は御方…本能的に張った多重結界さえ諸共に一撃で吹き飛ばすとは…

…流石は遥か彼方の御方…愚禿ぐとくではどうしても何振りか必須だというに…」

「うひ…! ちょびっとイッちまったぜ…! マジパネェうひひひひひ!」


 見せ脳してるゼーゼヴォーパルシオン・シーロォg…ゼーゼは何の含みも無い

少年のような笑顔で目を輝かせて感心している。あとサーベラス頑丈すぎワロタ。

マイマイカブリに向けるレベルの殺意込めたのに砕け散る気配すらない。

なに"これ"。おいイーゲルン。死ぬな。あんたエーレの子供の約束された未来を

見届けるまで死ぬ気ゼロだったんじゃなかったのか。まあいいや心臓動いてるし。


「さて…とりあえず、これからどうしたもんか…」

「…それは勿論、今すぐにでもセレブリャティグル帝国に殴りこm…」

「早まってはなりませんぞ姫様ぁ!! こんな気配だけでもバケモノとわかる

面々を伴なって進撃するのは時期尚早にございますぞおおおおおお!!」


 ……正論サンキューおかえり爺さん。でもピアやサーベラス達が気配を

隠せないってのも変…


「んにゃー、まぁ帝国って諜報部隊が思いの外ウゼェからにゃー? 結構頑張って

色々我慢してちょっと遊んでこようかって思ったら存外早く探知からの

逆ハリネズミでぇちこっとだけイッちまいそうだったしにゃー?

あと遊び場ってのはすぐぶっ壊しちゃったら面白くねえじゃん?」


 あっそ…。


「そういえば帝国には何年か前に干し首にした拳聖の娘がいましたな。

三日三晩切り結んで首を取れた親と違い、娘のほうは…ええまあ

御方の前でお恥ずかしい限りですが…七日七晩切り結んでも

片腕を飛ばすのが精一杯だったもので…いやはや面目ない」


 でじまー…?


「………実験場としては最適だったから頑張って作ったネクロソルジャーの

終末大隊ラストバタリオンモドキを送った………でも失敗した。

………フォーマロートの複製ネクロソルジャーが居るとは予想外………

だから貴方の精と私の卵で神滅子を作って今度こしょ―…痛いよ?」


 ピアの脳天にも軽くチョップ。地面にめり込んだが、うっすら涙目になるだけ。

この子もサーベラス並の頑丈さでクソワロター(棒


「まさか…帝国ももう多くの遺産を手中にしてるというのですの…?」


 とりあえず今の面子だと真正面からの帝国攻略は無理だって分かった。

だって俺少なくともこいつ等よりは強いけど、こいつらも梃子摺った連中より

強い保証も無ければ俺自身の能力限界も試しようが無いわけだし?


 あーもうマジでどこかの長閑な辺境で隠居してぇー…。


>>>


 気を引き締めなかった俺が悪い。最後の言葉が口に出てたせいで

何かを閃いちゃったエーレが「そういうことでしたら!!」と

行く先々で怪しい連中に共謀者らと綿密に連絡をアラホラサッサしたかと思えば

あれよあれよという間に…


「近道にはこの大人外魔境深淵迷宮最大手…エルオメガの天上帝塔に

アルテラビリュントス大地帝宮の攻略ですわ!!」


 何かすっごい色んなモノが犇き行き交いごった返すココだけで大量のサーガだの

勇者伝説レジェンドやら最高神話ミイスが此の後でも前でもメチャクチャ紡げそうな

スーパーWビッグダンジョン攻略になっちゃうのよ。


「ほほう…これはこれは…記録更新は鍛錬の一環ですし…ふむふむ」

「やっぱココを完全攻略するっきゃにゃーってかあ? 冥王さん元気かにゃー?」

「………ひたすらめんどくさい………アテクシと貴方の子作りさえすれば

こんな事も万事一発おっけーなのに………」


 そして易々とは終われないのはこの三人の台詞で理解できる。


「うひう…? 勘違いしにゃーでくれよ兄鬼? 俺ぁ攻略するだけなら

いつでも出来るんだぜ? ただよぅ…? スッゲーメンドくせーんよ?」

「サーベの言う通りです御方…ただ五体満足が難しいだけなのです」

「………だからアテクシと貴方の神滅子をむりゅっと産めば万事一発…」


 俺は確かに人生を穏やかに楽して生きたいのが本位だが、

かと言って端から楽できるとは思ってないのも本位だ。

でもだからといってこれはどうなのよ?


「最大の課題はやはりイアルマス様ご自身の問題ですから…

イアルマス様さえその御力を把握なされていただければと私は…はんっ?!」


 とりま俺はエーレの頭を優しく撫でる。きっと彼女なりの精一杯なのだ。

そして俺も男だからピアと比べれば百万倍マシな美少女の精一杯を無碍にできぬ。


「………貴方、撫でるならアテクシの濡れそぼったココをん…っ? …どうして」


 そして俺はピアの頭をそれなりに力入れてアイアンクローした。

だがそれくらいじゃピアは砕け散りそうに無かったし、腐ってもピアも

よく見りゃ美少女な見た目ではあるのでリョナっ気は無い俺としては

こんなところでまぁ一応美少女の脳汁ブシャーとか見たくないから

どうしたってガチ本気アイアンクローなんて出来ないしたくない。


「うひひ! ソピちーざまぁwww…!? グブおぼぇッ!?」

「………呪力プラーガで腐らせた傍から治るのか………ゲロ糞虫」

「うひひひひひッ! 冥王に愛された俺ぁがそんなんで死にゃーしにゃーぜ?」

「はっはっはッ! それくらいなら無論この愚禿でも同じだぞ?」

「………しゃしゃり出るな脳露出狂変態」

「いやいやディッソー殿…脳圧というものがあってだな…?

人間系の種族はこの脳圧を弄る事で新異能を得られたりと……」

「………アテクシがそれを知らないと思っているのが業腹だ」

「っはっはっは! これは失敬っ! ん? ウホッ?! これは中々の呪毒っ?

ひやぁ旨い! おお、心なしか脳が蕩けている感じがまた…!」

「………実際溶けてるだろうが………復元か………めんどくさい」


 …和やかに話してるのかと思えば肌の色が明らかにおかしい色になって

血反吐吐いたかと思えば即座にケロッとしてにゃーにゃー煩いサーベラスに

常人なら意識の外からずちゅりと剣を刺し込むように入り込むゼーゼと

そんな二人相手にさして興味がなさそうにあしらわんとするピア……なんぞこれ。


「とりあえず手近な迷宮都市でワシらでも問題なく逗留できそうな宿を探さんと」


 爺さんも大分慣れてきたな。最近はワイバーンの群れを間近で見ても

「何じゃ、唯の羽トカゲの群れかヒハハハハ…」とか言うようになったし…。

良い意味でブッ壊れてきてんな……今度良い娼館ルパナル行こうぜ爺さん…。


「であればいずれ世界を統べるイアル……様に相応しい…」

「待てよお嬢さん。兄鬼に相応しい宿だったら俺ぁの本巣の冥王教徒が

掌握してる一角がこの辺にある筈だからそこに口聞きし…オゴェにゃっ!?」

「………出しゃばるなゲロ糞虫………ねえ貴方? アテクシが少し前に

どっちか忘れたけど迷宮の一角のサブコアを支配改造した根城がある………

そこでゆっくり………ううん手早くヌチャクチョして神滅子つくろ?

………膳は急げとい………こふっ…?」

「そろそろ愚禿にも功名の機会を頂きたいものだ。我が御方よ、嘗ての古巣である

真聖大唯一神教にて薬で篭絡しておいた修道女達の運営する……おや、

どうしたのだサーベ? 私の手を串刺しにして何か楽しいのか?」


 俺は素早く二つ返事でエーレの案を採用すべきだったが、それより早かった

サーベラスが冷血モードで自分の本巣関係と接触を図らせようとして

ピアに再び新作呪力攻撃を喰らって倒れたかと思えばダンジョン内のアジトに

俺を引きずり込もうと頑張ろうとしたら心臓あたりをちゅぷりと魔剣で刺して

とりあえず止めたゼーゼが絶対碌でもない薬でダメにした闇その他堕ち間違いない

危険極まりないエロスデスシスターさん達が待ち受ける魔窟に案内しようとしたら

復活したサーベラスがゼーゼの無防備だった片手をズタズタにして以下ループ。


「人目が酷すぎて驚く気にもならんわい」

「目立ってしまうのは仕方ないのよイーグ? だってイアルmんぐ?」


 一応俺は大昔とはいえ魔王の再来扱いなワケなので優しくエーレの口を塞ぐ。


「爺さん。頼む…! 俺はとりまあの三人見張ってないとダメだから」

「老骨に鞭どころか鬼の金棒とか…バッキバキに折れそうじゃわい……」

「借りは迷宮都市の飲み屋とかで返すから…!」

「全然割りに合わんが…まぁ良いわ…ちいと逝ってくるぞ?」


 今は全然冗談に聞こえないのが嫌だ。


>>>


 爺さんは頑張ったんだが、結局俺ら…じゃねえサーベラスみたいな

ヤバ過ぎてハイパー鈍感でもわかっちゃう系な極悪権化を

親切に止(泊)めてくれるような宿なんて無いのだ。


 と、思うだろ?


「はいはいー…あたしゃー元気ですよー…この間もねー…」

「ばーちゃ…そっちもうラレもいなぁよー?」


 伝説や神話にサーガを紡げそうな迷宮の周りにゴマンとある迷宮都市だから、

探してみればこういう鈍感っていうレベルじゃない人がどういうわけか

経営できちゃう宿ってのもあるんですわ。今回の場合は神掛かった

ボケ…いや統合失調系だが昔とった杵柄だけは不思議と忘れない

ある意味凄いオバアと、おそらくサヴァン症候群宜しく常識や良識こそ

欠如しているがこの場合は経営という一芸に超特化した能力を持つ

公平すぎて邪悪かもしれない神の悪戯が生んだそこそこ可愛い孫娘…?

の二人が営む潰れそうで潰れない寂れた宿があるんだわ。


「あぃがとござまーね。ほれじゃー2ヶ月で白金貨11枚金貨3枚に

銀貨9枚銅貨16枚で本相場価格計上で計1749087マルクディナリれすー」

「すごいですわ…私の空気ソロバンですら秒で掛かるというのに…」

「ビタ銭本相場は一枚0.62マルクディナリれすけどお客しゃまは長期らので

切り捨てて請求ひてましゅのでからー」

「今回は偶々じゃったが…普段はビタ一文単位で請求しとるのか…」

「計算たのしーれすよー? あー…ボロボロれしゅけど劣化予防魔術は

普段かやずっと掛けてましゅかりゃ、乱暴ひないでくりぇればライジョブれすー」

「………此の子の脳髄、ゼロから一粒まで調べたい………」

「やるなら探知魔術でやれよ。物理的にやったら山奥で一から素の力と

素手のみで崩れないように丁寧に横穴掘り固めて野宿に切り替えるからな?」

「………どうせならアテクシのナカを掘り固めてくれるん…っ? …どうして」


 さて…つつがないと見せかけて宿の問題がまだ残ってる。


「んじゃー兄鬼と俺ぁで一部屋、あとテキトーおぐぇ…!? んごっぷ…。

……おいおい今結構イッたぜクソ魔女? 新しいネジをそのクソ脳クソに

百万本ねじ込んでやろうかオイ?」

「………この属性ベースだと適応が早いか…では次…の前に…部屋割りは

アテクシと貴方で後は好き……ぐぷ……」

「御方を何だと思っているのだろうかね君たちは? さあ我が御方…

部屋割りは御方におまかせしますのでどうです? 今夜愚禿の篭絡した

古巣の修道女には連絡しております…っ………何をするのだサーベ?

私の耳の穴はレイピアで掃除できるほど単純ではないぞ?」

「うひひ…! そうかにゃー? そこのクソ魔女とオンナじで

チーズ臭ぇ脳クソ穿って掃除してやろうって親切なんだけどにゃー?」

「………ダメだこいつら………早く、アテクシと貴方の

神滅子の生贄にしないと………」


 めんどくさくなったので俺はこのイカレスボス三人組を首1080度回しに

普通なら脳汁ミンチな割と本気なグリグリ攻撃と本当だったら爆発四散する筈の

魔術回路秘孔&チャクラ門を適当アータタタタタヲワタァで大人しくさせた。

本気で出来たらどれだけ良かったかは考えたくも無い。


「はぇー…? お兄しゃんは凄い手品師さんでしゅかー?」

「うん。そういう感じなんだ。ところで宿の御飯ってどうなってんの?」

「えーとれしゅねー……あー…いつもばーちゃが作ってるのでー…」


 あのオバアの杵柄が料理にも及んでいることを祈るしかない。

俺は良いんだがエーレと爺さんにこれ以上負担は掛けられん。


>>>


 結局部屋は歩く危険物ラスボス三名と俺ら一応良識人三名の部屋割りにした。

風呂は無いので交代でお湯を貰って体を拭くってコトで念のため危険物三名を

先に大人しくさせてから最後に俺ということにしたんだが、


「えーと…?」

「ろーしまひたお兄しゃん?」


 こっちの台詞らよ?! 何で肌着一枚でお湯持って来てりゅんでしか!?


「お兄しゃんみらいな人は結構気に入ってくれりゅかられすよー?

一杯泊まってイッてほしいれすしー? しゅっごくちっちゃい頃に初めて

ここで一杯泊まってってくれた優しいお兄しゃんみたいな人が

こうしゅると良いっておしえてくれたんれすよー?」


 ………人間って…やっぱ性悪説が近いと思うよ、俺…。

ちくせう何で見た目は普通っていうかかなり上位な美少女は何処かブッ壊れてて…

どうしてこの子はそこそこ可愛いっていうか結構愛嬌あるなって思うの俺ェ!?

これが人のカルマなのか!? 何言ってんだ俺!?


「あとこお御薬おくしゅり使えば赤ひゃんれきないって最初のお兄しゃんが…」


 諸悪の根源だったクソ野郎は可能ならばタイムワープしてぶっ飛ばしたいが

残念ながら俺にそんな能力がある気が不思議としないの…!!


「あのー…お兄ちゃん…?」

「ちくせぉぉぉぉぉう!」


 俺と契約してマジすげぇ加護くれたのはいいんだけど最凶ドラゴン様はやっぱ一番怖いし何だかんだでこの子悪くないしでも罪悪感マジパネェし度重なるストレスから色々キてるでもこーいうので力加減とかアレだしさっきの一言がすっげぇ妙にギャップクリティカルだったし一体全体どうしろってんだあああ!?


>>>


 結論。頑張って単なるマッサージ勿論エロゼロナイスオッケーで終わりました。

孫娘ちゃんことミューちゃんは何処と無く残念そうでしたが

そ れ が ど う し た こ の や ろ う ! !


「おっす兄鬼ぃ! 夕べはお楽しみみみみみみっみみみみみみみうわらばっ!?」


 ゼーゼに試して死ななかった適当アータタタタタヲワタァをやってみたら

共用台所が血肉の海に染まったが、サーベラスは普通に服ごと綺麗に

一滴残らず再生したのでまたミューちゃんに「今日もしゅごい手品でしゅねー?

今夜はどうしましゅかー?」と言われて辛かったお。んでもってそれをエーレと

爺さんに聞かれて「何の話ですの?」って無垢に返されーの

「やはり第一級封印牢にブチこまれてただけの事はあるんじゃのー?」と

ガチ皮肉られれれのれーで死にたくなったお…。


「………そういうことならアテクシに言ってくれれば一緒んっ………わからない」

「御方…だから昨日愚禿と共に懇ろな修道女達と…んろろろろろろう!?」


 ピアにはいつもよりもキツめにアイアンクローもまぁそれなりでゼーゼには

10800度首ベゴキングリンで千切れないのが釈然としない。


「んだよぉ兄鬼ぃ…手心とか俺ぁには無いのかにゃー…?」

「正直言えば手心はピアだけでお前とゼーゼには同じなんだが」

「お優しい御方だ。やはり女性には最低限優しくないと駄目だからな」

「うひ…? オンナとかさぁ…ピーピーギャーギャーうるせーだけじゃんよー?」


 また一つイカレスボス三人の知りたくもない部分が分かって辛い。


>>>


 オバアの杵柄でビックリするくらい美味しかった朝食をそこそこに…

とりあえず俺たちは一応装備を整えて、まずはエルオメガの天上帝塔攻略にする。


「んにゃー? 兄鬼の事だから冥王さんへの挨拶そこそこに大地帝宮とばかり…」

「愚かなサーベ…御方はまず天上から全てを見下ろすのが相場だろう?」

「うひ…? あー…そーだにゃー天の声を携えて地の冥王さんへのお土産的な?」

「………小賢しいがとりあえず一番良いサブコアを征服しようそうしよう」

「うむ。何はともあれ天上玉座の簒奪が急務であろう」


 ちょっと前まではこの後イカレスボス三人のソフト殺し合いになったが、

やはりこいつらは強かだった……多分。


「イアル……様。足手まといにだけはならぬよう頑張りますわ!!」

「先日の注目の件からどうも目が多くてのう…やれやれ…

…あと何本老骨を折ればよいのやら」


 …なんかサーセン。


 とにもかくにも何となく日の光が当たってそうな方から気分良く行ってみたい。

別にドラゴン様が見てるとかそんな感じはしないんだが…印象は大事じゃん?


「にしても……徒手空拳かぁ…」


 ドラゴン様のスーパーチート加護が凄すぎてあのダークカッコいい名前の

スケルトンの大鎌以外でマトモに扱える得物が今のところ見つからないので

どうしたって俺は徒手空拳がメイン攻撃になる。最初はサーベラスが

「兄鬼にマジイキで似合うのあっから使ってくれよー」とか出してきたので

じゃあ試し切りとやったらサーベラス諸共壊れたの。そしたら割と落ち込んだの。

んじゃー今度はゼーゼのを借り…れなかった。「御方の力で振るっては…!!

愚禿にとってこの得物たちは愛すべき女性と同じなので何卒ご勘弁を!」とかさ。

んで端から聞いてないのに「じゃあアテクシを使えばいいじゃない。

それこそ昼も夜も未来永劫」はいはいアイアンクロー×2。何考えてんだと。


「まぁ…昔頑張ったハルバードでさえセンス微妙だったし…シャイセっ…!」


 塔の壁は一番外の壁は不思議とヒビしか入らなかったが、内壁だけは

不思議と某悪魔の塔を攻略した黄金の騎士さんが振るうツルハシみたいに

バコバコぶっ壊せたのが妙な慰みになった。まぁ攻略は捗っても

俺の能力限界調査にはまるで役立ちませんのですけれども。


「にゃー…やっぱ兄鬼は凄いにゃー…俺ぁのケツ穴濡れるってマジでー」

「………一言多いぞゲロ糞虫が………でも、流石貴方………早く子供つくりたい」

「やはり御方…よもやこの強固な壁をああも容易く破砕なさるとは…!」


 尊敬の眼差しがこの三人でなければ俺の心ももう少し癒されるのに…。


「イーグ…今何階かお分かりですの?」

「…60階ですぞ……それもわずか半日で…いやはや…長生きしてみるものじゃ」

「イアルマス様の型破りには私の中の常識も数多く破られましたわ…」


 対してエーレと爺さんは尊敬というより畏怖である。

いや、多分それが普通なんだけどね。


「…お前ら三人に聞くが…」

「何なりと」

「俺ぁ後ろより前かにゃー?」

「………黙れゲロ糞虫………貴方、アテクシの思い出す限りだと87階は超える」


 …まぁ、ピアはやはり魔術師なので空気も読めないことはなかったようで…

と、なると後半日掛ければ120階まで行けるってことだから…?


「100階とかで終わってくれれば楽だなぁ…」

「んにゃー、兄鬼だったらラクショーっしょ?」

「仮に1000階だったとしても、御方ならば10日以内でしょうな」

「………中継地点として一番良いサブコア制圧改造を提案する」


 ピアの冴えっぷりが何か嫌だ……いや、もしかすると普段のピアは

本当に鬼才神才なのかもしれんが…それを確かめようものならば

一か八かオールオアナッシングで済む気がしないので0×0=0でおk。


>>>


 昔チートパワー全開で遊んだゲームが結局つまらなかったように、

この塔ダンジョンでも出会うボス敵や障害が俺には今のところ

全部ワンパンKOだったので結局来るべき将来の帝国攻略への不安は解消しない。

前世で足元掬われまくった経験のせいかもしれないが、やはり明確に

無理なものは無理と知ってたほうが安定した人生には大事だと思う。


「お? そーいやこの扉は見覚えがにゃーだぜ兄鬼?」

「ふむ…流石に之は愚禿も…」

「………一番良いサブコア………一個もなかった」


 ピアの愚痴は兎も角…ってことは…?


「この先が最終階…かも知れんな…」

「あっという間でしたので…正直今何階だったか忘れちゃいましたわ…」

「………119階………もしかすると本当に…」


 思った範囲内で何か…いや、良い事じゃないか。


「………開けるぞ?」

「バッチ来いだぜ兄鬼!」

「御方自らで申し訳ありませぬ…」

「………折角だから共同作業する?」


 不安だったのでピアと一緒にやってみた。そしたら…ピアがちょっとウルッた。


「………貴方…ほら…?」

「お、おう…?」


 俺はほだされぬ…! 何かここ一番で可愛い気がしたが!? だが忘れたか!?

こいつは黄金髑髏の半分仮面なんだぞ!? だから何だってんだこの野郎…?

まあいいや…最悪…ピアを盾に…最低だな俺。ピアだけど…? ピアなのに…?

ええいやってみるさ!!


「……此処は…」


 目の前に広がるは満点の星空っつうか宇宙空間臭い。不思議と息苦しくないのは

最凶ドラゴン様の加護か色々紡げちゃう系な塔ダンジョンの魔性が否か…?


「……しかし、何も無いのですな…? てっきり神の力等が宿った

武器やら宝具などがあるとばかり…?」

「それか冥王さんとタメ張れそうなマジイキ級のクッソヤベーバケモノとかなー」

「………ダンジョンコア………無いの………どうして」


 俺はちょっと存在を忘れかけてたエーレと爺さんを見やる。


「えと…イーグ?」

「いやはや…この塔は遥か昔からあったのは確かなのですが…

まさかその間に攻略済みとは…何といいますか…」

「あー…それはありそうだな…」


 誰が攻略しちまったかは兎も角…せめてそういうのを広めとけってんだ。


「『いっそのこと神星龍皇界主神カムホシタツスメサカイヌシノカミ様とか降臨してくれたりしないでしょうかね…?』」

「「「???」」」

「あの…イアルマス様…? 何か言いました?」

「よもやと思うが出会う前に叫んだ謎の言葉ではなかろうの?」


 おっといけねえ心が疲れてたのかついついヤムート語が出ちまったぜ…。


「………あな、た…? 今の…異様な気配を感じた言葉は………!?」


グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!


「「「「「「!?!?!?」」」」」」


 ピアの言葉が呼び水となったのかは不明だ…! だが!! だがががが!?

こ、ここここの気配ははわわわわわわわ!!?


「く、来る…!!」

「さ、寒い…?! な、何なんですのこれは…?!」

「冥…違ぇ!? 何か…ウソだろ…!?

冥王さんより…?! んな馬鹿にゃーこたぁ…!?」

「な、何じゃ…何が…何が…!?」

「………あ、……は………う……ぇぇぇッ!?」


 ゼーゼは一番自慢だと言ってた業物を両手でシッカリ握り締めて構え、

ケモ耳をビビビンと逆立てたサーベラスは歯をカチカチ鳴らしつつもゼーゼ同様。

物凄い青白くなったエーレは爺さんに縋りつき、爺さんは爺さんで多分

長年の経験と勘から何かを感じ取ろうとして取りきれず、ピアにいたっては

土気色になって地面に胃液らしきものを吐いた。


 そ し て 俺 は 正 座 で 土 下 座 待 機 ッ ! !


 それほど上空ではない場所で…ああ、懐かしきドス黒く輝く超巨大召喚魔方陣と

二度目だからまるで慣れもクソもない天地鳴動ッッッ!!!!


「『別に何も悪口は言っておりませんよおおおおおおおおおおおお!!!』」


 俺はカスいからヤムート語で叫んでおいた。まぁ意味ない気がしたけど。

俺の魂の叫びなんて意に返さないように魔方陣から神星龍皇界主神カムホシタツスメサカイヌシノカミ様が

ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾゴオオオオオオオオオオオン!! と…どんどんどんどん

星空を覆い尽くさん勢いで出ていらっしゃるのですッッッ!!!!!


―(『前回はこのくらいで止めていた筈だったが…どうであったか?

今は我が念話で死ぬことは無いがやはり我が声そのものでは死ぬであろう

未だ貧弱なるヤマトの魂継児にして最後のイスターク族の子イアルマスよ』)


「『もっふぉッ!?』」


 聴いた瞬間何か脳髄がバチバチ来た気がするが…とりあえず大丈夫だった…

それはともかく!! 神星龍皇界主神様、まさかのお声がけである?!

そしてお優しい神星龍皇界主神様はこんな俺にまたお気遣いを…!


「『あえお、おおああおお早うございます神星龍皇界主神様お元気ですか!?』」


―(『汝の言う"元気"に相当する状態ではある。とはいえそれがここ久遠で

一度たりとも変化は無い…汝の言う"平常"状態なのだがな』)


「『なるほどお!! それは……何よりでしょうかごめんなさいッ!?』」


 土下座しようかと思ったんだが神星龍皇界主神様がこっちを見てたので

目を離したら死ぬんじゃないかと思ったので動けなかった!!


―う…あ…が…!

―死…これは…死…これが…死…きゅひッ!?

―うげええぇえぇおぼろろろろえああああがああああああああ!!


 正直あの三人の声が聞こえたので様子を伺いたい気にもなったが、

無理無理神星龍皇界主神様から目を離せるわけ無ーいじゃなーいのよーう?

とりまゼーゼは声を出すのがやっと臭くて、その実一番の怖いもの知らずな

…まぁイカレすぎてるせいでそうであろうサーベラスが誰だお前レベルで

女の子みたいな声出してたのがマジキッショくてんでもって

ピアがもう一大オヴェー祭りってのは何となくわかった。


―(『さて、本題に戻ろうかイアルマスよ。この天上に近き地にて

汝の声を機として我が前回同様の加減顕現したのには理由がある』)

「『いかなる御理由であろうとも私ごとき愚物が神星龍皇界主神様に

異などあろうはずもございませぬ!!』」

―(『異議の是非を問うた覚えは無いが、まあ良かろう。

未だ貧弱なるヤマトの魂継児にして最後のイスターク族の子イアルマスよ、

汝に二つ伝えることがある』)

「『何なりとお申し付けください! あ! この愚物めの糞塵芥以下にして

矮小極まりなく涅槃寂静なゴミクズカス命に関しては少々難儀がございますが

申し訳ありませんお許し下しあホントごめんなさいマジすみませんでした!!』」

―(『………全てを聞かず察しろとは問うておらぬが…まぁ汝の性分と一先ずは

納得するとして…まずは一つだ』)

「『有難く御清聴頂戴御賜りいたします!!』」

―(『………では先ず一つ伝える…之までの汝の生き様より、我から汝に

これも耐えうるであろうから新たな加護を与える』)

「『うっひょオオオオオオオオおいやったあああああああああああああ!?!?

すみません申し訳ありませんごめんあさいお許しください調子乗ってスマソ!』」

―(『……そして二つ目であるが…我が見る汝の世界に少々目障りなモノが

近々現れる故に、それを滅するか屈従させるか篭絡ないし感服隷属させよ…

期限は汝が死なぬ限り意味を成さぬゆえ、そこまで焦ることはない…

我が我慢できる範囲までなら足踏みも許そう』)

「『おぶへええああ!? え、ちょま…いいいえ分かり申した!!

微力全力全身全霊精根尽くして遂行させていただきますうううう!!』」

―(『…期待はしておらぬ…汝がしくじれば其れまでのこと。この世界の

創造主神達には悪いが我が干渉して目障りなモノを滅するのみぞ』)

「『おっぶふッ…!』」


 気が付けば鼻血がドパドパ出てたが、聞かされたことで頭がパーペキに

グチャックスだったのでそれどころじゃなかった。


しくじったら死ぬってレベルじゃねえしくじったら死ぬってレベルじゃねえ

しくじったら死ぬってレベルじゃねえしくじったら死ぬってレベルじゃねえ

しくじったら死ぬってレベルじゃねえしくじったら死ぬってレベルじゃねえ

しくじったら死ぬってレベルじゃねえしくじったら死ぬってレベルじゃねえ

しくじったら絶対死ぬってレベルじゃ済むはずがねえッッッ!!


―(『ではそろそろ我は在るべき場所に還るとしよう…長居が過ぎれば

汝の傍にいる命の母胎を有する三者が壊れてしまうのでな』)

「『えっとあのえっとえっとえーあのうわああああ御免なさいご免さい!!!

ごゆるりお急ぎじゃえええお気を付けてお疲れの無いようお帰りくだし

くぁwせdrftgyふじこlp;@:pぉきじゅhygtfrですぁq!!』」

―(『ふ…………………ではいずれまた会おう…我が直属子イアルマスよ』)


>>>


……………………………………。


………………………。


……………………?


……………。


「………………………………んぬっハッ!?」


 気が付けばもう最凶ドラゴン様はいなかった。そして俺は生きてた。

何か凄く長い間そのままボヘーっとしてた気がするが…。


「そんなに時は経ってない…のか?」


「……………………む…う?」

「………あれ…は……!? 姫様ッ!?」

「………う、うぅぅ……………あら、? イーグ…? イーグなの?」

「………………………………………………にゃっ!?」

「……もう…出な………ゆるじ、で…え?」


 俺がハッとしてから体感で結構経った気がするが、居合わせた皆が

ぼちぼち自我を取り戻したっぽいので……喜んでおこう、か…?


「…とりあえず…ここはまずエーレかr…カッ…!? ペペペペペペぇッ!?」


 両目にいきなり火のついた煙草を限界までぶち込まれたような焼け付く痛みに

脳味噌の中になんか脳味噌ごと同化したミキサーが言うまでも無く

フルドライヴぁ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛―ッ!?


 フッと痛みが消えたので多分俺死んだかな? と思ったくらいだった。

ポタポタ目から汁が出るのでなんぞやと触ればまぁドロッとした濃度で

かなり黒っぽい血液がわーおわーおとまんねとまんねーwww^ー^www


「ぞうだ…おでまだ生ぎでるからエーレの安否…」


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仮名:エーレドネィ・ラクサニア・ヴェストリッターケーニッヒ

真名:エーレセレネヘカテーニア・ヤミー=ヴァルザライザー・ニュクス

年齢:12

性別:未通女

種族:弱人種

先天属性:闇、毒、水、風

後天属性:波動

命力:脆弱(平常)

魔力:微弱(平常)

霊力:中弱(混濁だが平常範囲内)

理力:貧弱(平常)

筋力:脆弱(平常)

対従度:心酔従属

<〇><〇><〇><〇><〇><〇><〇><〇><〇><〇><〇><〇>


 なーんぞこれ。


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仮名:イーゲルン・ゾンネンヴァルザー

真名:―神霊的加護無故無名―

年齢:48

性別:童貞

種族:弱人種

先天属性:火

後天属性:―なし―

命力:中弱(平常)

魔力:脆弱(平常)

霊力:上弱(平常)

理力:脆弱(平常)

筋力:上弱(平常)

対従度:不審屈従

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 ……んんんんーと…ぉ?


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仮名:サーベラス(シメール)・オルクサデスロード

真名:シメールエキドナリッサ・オルクサデス=エルドライアー・エレボス

年齢:22

性別:変異形偽男(前後姦通済未経産婦女)

種族:狼虎亜神人混血種

先天属性:地、水、火、雷

後天属性:闇、毒、死、超再生、波動

命力:人外頑強(狂化)

魔力:中強(狂化)

霊力:人外頑強(狂化)

理力:上強(狂化)

筋力:人外頑強(狂化)

対従度:感服従属

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 …ほーほー…。


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仮名:ゼーゼヴォーパルシオン・シーロォグミーカ=ヘルノーヴァエルリエル

真名:ゼーゼヴォーパルシオン・ジェノデイチーダ=イミゴットヴァルドヴァロン

年齢:89

性別:邪淫夫

種族:魔道機骨強化式弱人種

先天属性:雷、空

後天属性:地、水、火、風、闇、神至毒、死、再生

命力:人外列強(平常)

魔力:弱強(平常)

霊力:人外列強(平常)

理力:人外列強(平常)

筋力:人外剛強(平常)

対従度:感服隷属

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 これ、どう見ても鑑定大先生様パワーじゃね?


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仮名:ディスソピアー・デミウルゴス=オルデストロイ・トゥアハデダナーン

真名:ラピアセル・アインソピアー=プレロマデウシス=オールノーティシデアー

年齢:38

性別:前未通女

種族:魔道機骨強化式魔鬼女人種

先天属性:闇、光

後天属性:地、水、火、風、雷、空、超魔毒、死、再生、時空、波動

命力:人外上強(平常)

魔力:神至弱強(平常)

霊力:竜越列強(平常)

理力:竜越列強(平常)

筋力:人外弱強(平常)

対従度:感服従属・孕受胎希望

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 とりあえず色々突っ込まないと駄目な項目まみれなので…


 と り ま 後 に し よ う ず お 家 帰 り た ひ ! !

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