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契約した盲目少女と悪魔  作者: アクア
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第5話

悪魔が私に死ぬ事を話してから数週間後、私は医師から余命を告げられた。

もって1ヶ月らしい。トラックに轢かれた私は脳や体に強いダメージを受けてこうやって生きているのも奇跡だと言った。もしかして、悪魔が言っていた運が良かったとはこの事だったのかもしれない。



「彩香、何かしたい事はある?」



医師から残りの時間は好きなように使ってくださいと言われて早数日。

母は毎日のように私の病室でこの質問をした。だけど、この質問の回答は私には限られている。動けない私が外に出たいと言ってもできる訳ないのだから。



「本、読んで」


「本ね、わかったわ」



カバンから一冊の本を取り出すと母は私に読み聞かせをしてくれた。でも、本音を言うと読み聞かせに興味はなかった。ただ母の声をずっと聞いてぼーっと天井を見るのが好きなのだ。



「週末はお父さんがきてくれるからね」



帰りしな、母はそういって私頭を撫でた。なんだか昔に戻った気分だ。



「そっか」



特に何も伝えて欲しい事はなかったため、今日もいつもと同じように手を振って母と別れた。そして、母が出て行くと私の元にほぼ毎日悪魔がベッドに腰をかけていた。「何してるの?」と、ずっと同じ態勢で動かない悪魔に気になって一度聞いてみた事がある。すると悪魔は横目で私を見ると、何ごともなかったように視線を戻した。

今日も悪魔はベッドに腰をかけている。もうこの光景にはなれた。どうせ死ぬんだ。それなら悪魔と話しをしたい。



「ねぇ、死んだ私はどうなるの?」



最近気になり初めた事を彼女に聞いてみる。すると彼女はまたも横目で私を見てけ幻想に眉をひそめながら言った。



「私のおもちゃになる」


「一緒に遊ぶの?」



わかっていながらも、的外れな事を悪魔に聞く。すると悪魔はかすかに笑ってベッドから降りた。



「あぁ、遊ぶさ。ねぇ彩香。君の今の状況はどんな状況だと思う?」



いきなりの問いかけにポカンと口を開けると、悪魔は面白そうに笑った。



「彩香、君が死ぬ前日までにその時に答え用意しておいてね」



悪魔の言っていた今の状況とは、呼吸器に繋がれて体を動かす事も困難な私の事に違いない。絶体絶命?崖っぷち?考えれば考えるほどわからなくなっていく。

一体悪魔は何を言いたかったんだろう。



「園宮さん、点滴の時間です」



ガラリと開いたドアからは看護師さんが入ってくる。また点滴か。点滴を打たれるのは嫌いだ。悪魔がもう少しいてくれたら点滴をされている間も暇にはならないんだけどなぁ。



「じゃぁ終わったらナースコールを押してくださいね」



左手に付けられた点滴はポタポタと落ちていった。これは私の食事らしい。看護師さんが言っていた。もう食べ物を噛む力も飲み込む力も私のは残っていないらしい。やっぱり嫌いだ点滴は。こうやって液が落ちるのを見ていると自分の死期が近づいている事を考えてしまう。



「早く終わらないかな…」



目を逸らして見つめた窓の外は青々とした木々が見えた。私もちょっと前まであんな感じだったと思うととても胸が痛んだ。







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