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「ねえねえ、周兄。本当に皇帝にならないの?」
「はあ? まだそんなこと言ってんの。麗ちゃん、ボクはこの世界の人間じゃないんだよ。国のトップになるわけないよ」
「そんなこと言ったら私だってそうだよ!」
何が『そう』なんだか?
「とにかく、本物の魏礼総統を人質に取られている以上どうにもならん」
「そういう理由なら仕方ないけど私は周兄がいいの!」
部屋をノックする音でボクたちの会話は途切れる。
「あのぉ、魏礼総統が慌てて出ていったんですが何かあったんですか?」
田勇雷がボクに訊く。
「ああ、今後について話をしたので現場と打ち合わせをしにいったのでしょう」
ボクが話を受け流すと、田勇雷はふたたび部屋を出ていく。
「とにかく、革命軍の第一部隊と第二部隊が東にいる以上、共和国軍はここに来ることはできないんだよ。この意味がわかるかい、麗ちゃん」
ボクがそう言うと宋麗は首を横に振る。
「政府首脳たちは全滅。共和国軍は来ない。じゃあ、その間誰がこの城陽を仮に支配するんだろうね。わかるかい」
「もちろん周兄だよ!」
「だから、ボクじゃないって言ってんじゃん。麗ちゃんだよ。革命の女神!」
「革命の女神?」
宋麗はボクの言葉に首を傾げる。
「ボクたちで勝手に建国宣言しちゃえばいいんだよ。いいよね、麗ちゃん」
「別に周兄がそれでいいならいいけど⋯⋯」
ボクの提案に宋麗は不満そうだ。しかしだ。宋家のネームバリューを使わない手はないとボクのクズ魂が叫んでいる!
革命軍という名の政府軍、そしてこれから来るであろう隣国の共和国軍、全部使ってやる。全部他人のフンドシで相撲をとってやる。そう、生前ずっとやってきたことだ。クズの本領発揮だ!




