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ボクと宋麗は田勇雷に先導されて政府官邸の奥へと歩いていく。王学冒は政府官邸の玄関で見張りをしている。奥に進んでいくと田勇雷の言う通り政府首脳は全員自害していた。もっともボクは政府首脳の顔は知らないので偉そうな人たちが集団で自害しているくらいしかわからないのだが⋯⋯。まあ、ボクにとっては本物かどうかは大して問題ではない。なんてったって、この世界は平気で顔を変えてしまう世界。日本人のボクの感覚からしたら全く理解できない。
偉そうな人たちが全員自害している広間を抜けていくと田勇雷は小部屋の前で立ち止まる。
「周恩君様、こちらで魏礼総統がお待ちです」
田勇雷はそう言ってドアをノックした。
「ハハハ、少し打ち合わせしないと⋯⋯」
「気にしないでください。ここまできたら何が起きても驚きませんよ」
田勇雷の言葉にボクは苦笑し、田勇雷は入室した。
魏礼総統も影武者ってことは十分にあるが、一国のトップだ。さすがに気付いたとしても⋯⋯。
やがて、田勇雷が出てきてボクと宋麗を部屋の中に導いてくれた。
「こちらが周恩君様と宋麗様です」
田勇雷の言葉にボクは会釈をする。
「私は隣国の⋯⋯」
女の声。
「茶番はやめよう。流星、俺が魏礼総統ではないことなどお前にはお見通しだろ」
男の声に変わった!
「まあ、そんなところかな⋯⋯」
いや、別に魏礼総統を演じてくれてもよかったんだけどね。
「私の名前は李祭月。城陽大学で教授をしている。ところで、流星⋯⋯。覇王とは遭遇したか?」
「覇王? ああ、宋白さんを乗っ取ったドルゲードって詐欺師のことかい。会ったよ。それがどうかした?」
李祭月の言葉にボクは頷きながら言った。
「覇王とは絶対に敵対するな。お前なんかじゃどうにもならない相手だ」
「そういうのは先に言ってくださいよ。宋白さんの身体ごと消し飛ばしました」
李祭月の言葉にボクは頭をかく。
「宋白の身体ごと? 流星、ということは封印しなかったのか?」
封印?
そういうのは先に言ってよ⋯⋯。




