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ボクは永昌基地に到着した。到着したと言っても永昌基地上空にいると言ったほうが正確だ。さっきから波動を何百発も撃ち込んでいるので永昌基地は阿鼻叫喚の地獄絵図だ。もう完全に基地は沈黙しているのでさっさと首都城陽に向かってもいいのだが、いかんせん怒りが収まらない。民主派勢力を陥れて政情を安定させる。そんなこと⋯⋯。どうせボクには関係ない世界だ。勝手にやればいい。そう勝手に⋯⋯。
なんで、なんで、麗ちゃんが犠牲にならなきゃいけないんだよ⋯⋯。
『宋麗の嬢ちゃんを強く、強くイメージしろ!』
えっ?
女竜さん、どういうこと!
ボクは宋麗を強くイメージした。
ボクの目の前には宋麗がベットに横たわっている。その手には流星の涙を握っている。
「麗ちゃん、麗ちゃん起きて」
ボクは宋麗の肩を揺らすが宋麗は一向に目覚める気配がない。
『ここは時の部屋。なあぁに、連れて帰れば目覚めるよ。この嬢ちゃんと縁のある場所をイメージしろ』
女竜さんがそう言うので、ボクは宋麗を抱きかかえて加檀の洞窟を強くイメージした。
確かに加檀の洞窟に瞬間移動した。でも、宋麗は目覚めない。
目覚めない。
目覚め⋯⋯、ん?
今、目が合ったような⋯⋯。
「周兄、何やってんだよ! 眠り姫を起こすのは王子様のキスだよ」
おとぎ話だろ!
「ハイ、もう一回やり直し!」
宋麗が寝たフリをする。
はぁ、ボクはこういうのに免疫ないだけどなぁ。
チュッ!
えっ?
「周兄、次はちゅう二回だよ」
宋麗が真っ赤な顔でボクに言ってくる。
「じゃあ、首都城陽に行くよ。あんまりゆっくりしてると間に合わないから⋯⋯。アレ、麗ちゃんは殺されたって聞いたけど?」
「殺された? 違うよ。車が崖から落ちたんだよ。そしたら周兄が抱きとめてくれたんだよ、へへへ」
ボクが崖から落ちた車の中にいる宋麗を抱きとめる⋯⋯。
そんなことしたか?
まあいい。
無事だったんなら問題ない。
そう言って、ボクは首都城陽に向かって歩き始めた。




