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あれから六年の歳月が過ぎ去った。宋麗は城陽大学を入学、卒業した。宋清と李月麗はあれ以来、行方不明となっており、ともに死亡宣告が出され、城陽大学もともに除籍となっている。不思議なことに行政機関は全くこのことに関しては動いてくれない。というより、もっと不思議なのは宋麗がこのことに関して全く興味を持っていないのである。そのうち帰ってくるよの一点張りである。そんな折、軍を通じて宋清から宋麗に連絡が届いた。
隣国近くの避暑地の北信の別荘に滞在しているので、一人ですぐに来るようにと⋯⋯。
宋麗は迎えにきた軍関係者の車に乗って北信に旅立っていった。
宋清はきっとボクには会いたくないのであろう⋯⋯。
ボクはそう考えて城陽に留守番することにした。考えすぎて取返しのつかない状況に陥るという本当にボクの悪いクセだ。
宋麗が宋清の元に旅立って半年、事件は突然訪れた。王国暦八二年三月三日正午、宋清をリーダーとする民主派勢力が一斉に蜂起し革命軍を名乗って王国政府に宣戦布告をした。宋清は北方の壇上基地を占領して革命軍第一部隊と称した。また、東方の海秋基地を占領したのは周老師の息子の周恩楽をリーダーとする革命軍第二部隊であった。その他にも三部隊あって首都城陽を囲む形で一斉蜂起をしているのだ。
とにかく今は半年前に北信に旅立った宋麗の安否が心配だ。ボクは居てもたってもいられずに宋清のいる壇上基地へと飛んでいった。
ボクは今、壇上基地の司令室のドアの前に立っている。司令室の中からは聞き覚えのない男女の談笑の声が聞こえる。
「周恩君様、宋司令にはお伝えしてありますので遠慮なくお入りください」
司令室に案内してくれた兵士がボクに入室を促す。
ああ、周恩君⋯⋯って名前。
一応、この基地に入る時に周老師の腹違いの兄って設定で基地に潜入した⋯⋯。思いつかなかったため『周恩⋯⋯くん』って言ったらそれがボクの名前と勘違いされただけ⋯⋯。
ボクは意を決して司令室に入室した。どうしてだろう。そこには宋清と宋麗がソファに座っているだけだった。
「ああ、周恩君様ですか? はじめまして、宋清と申します。本当に周恩楽君にソックリですね」
コイツ⋯⋯!
「妹の宋麗です。よろしくお願いしますわ」
コイツも!
一体誰なんだ?
でも⋯⋯、二人の安否が確認されないうちは迂闊に動けん。
「はじめまして、周恩君と申します。弟が行方不明なもので捜しているだけなのですが⋯⋯」
弟って、周老師のこと。
周老師は加檀の洞窟で石像となっている⋯⋯。
「確か李老師も行方不明とお聞きしました。心配ですね」
宋麗の顔をした女が言う。




