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革命流星伝  作者: 杉山薫
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ボクはどうしたんだろう⋯⋯。死んだはずなのに、ボクの身体は元のまま。ということは転生ではないのだろう。ここはどうやら山奥の森なのだが樹海ではない。遠くに集落が見える。そこに行けば何かわかるかもしれない。


 麓まで下りてきた。いくつかわかったことがある。この身体、形状はボクの身体なのだが、おそらくボクの身体ではない。飲食や排泄などの生理現象の真似事はできるのだが、別に絶対にやらなければいけないわけでないらしい。もう一つはここに住む人々だ。ボクは日本人なのだが、ここに住む人々はどうも中国人のような顔立ちをしている。しているのだが、話している言葉はボクには認識できないし、そこに書いてある言葉も全くわからない。まあ、要はボクの知らない言葉を読み書きする中国人みたいな人々というのがわかりやすい表現かもしれない。


 あれから三百年ほどの刻が経過している。三百年も時間があれば誰でも言葉も使いこなし情報収集もできるようになる。現在ボクは覇王国という国の首都ジョーヨーという街に住んでいる。どうやらボクが住んでいた世界とは違う世界、異世界のようだ。ということは、ボクは異世界転移をしたのだろう。しかも、この世界には魔法が存在するらしい。らしいっていうのは覇王国には魔法は存在していないのだが、西方にある魔界帝国には魔法どころか魔物もいるらしい。現在、覇王国と魔界帝国はこの世界の覇権をかけて戦っているそうだ。今のボクは何をやっているって? そりゃ、情報収集に決まってる。この身体が不老不死の不死身の身体であるなら早計に動くのはあまり得策とはいえないだろう。それに魔界帝国は非常に気になる。


 さらに二千年の歳月が経過している。覇王国と魔界帝国の勝敗は決した。魔界から際限なく魔物が供給される魔界帝国に対し覇王国は所詮人間。しかも、ボクが生前生きていた世界とは違い機械文明もそれほど発達していない。覇王国はジリ貧となり人類はボクを残して全滅したらしい。まあ、ボクは人類ではないらしいからどうでもいいのだが⋯⋯。魔物たちはボクを人間とは認識していない。敵対するというよりはボクを避けているような気がする。


 それから三万年後、魔物たちが我先にと西方から逃げてくる。闇だ。闇が西方から迫ってくる。生前のボクの曖昧な知識であるが、宇宙というのはやがて収縮し無に帰るらしい。この世界は小さい世界なのでこんな短期間で消え去るのだろう。

闇がボクの前まで来た時にボクの脳裏に直接コンタクトしてくる声がある。


『旅人よ⋯⋯。それがお前の答えか?』


「ボクには一つだけ心残りがある」


ボクの口がボクの意思に関係なく言葉を発する。心残りってなんだ?


『ならば、逝け!』


闇の声がそう言った瞬間、ボクの目の前には細く長い道が続いていた。

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