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ボクは今、樹海の奥深くの大きな木の下で横たわっている。正確に言うと行き倒れだね。まあ、樹海の奥深くで行き倒れっていうのはおかしいね。要は自殺しにこの樹海に来たんだ。痛いのも苦しいのも怖い。こんな奴が自殺ってやめときゃよかった。だけど、もう動くことすらできない。
ボクの人生を象徴している最期だね。周りから見れば余裕がある状況であるのにいつも自分から逃げていくんだよ。今回だっておそらく自殺するような状況じゃないんだ。メンタルが弱すぎる。そう、単にメンタルが弱すぎるだけならどうにかなるんだろうけど、なまじ能力が高いだけにこのメンタルの弱さが仇になるんだね。
ああ、もう意識が朦朧としてきている。もう一度やり直すことができたら今度は失敗しない。もう一度やり直すことができれば。そんなことできるわけがないか⋯⋯。
ボクは信心深い人間ではないが、最期くらい神様にお願いしよう。神様、やり直しさせてくれ。
そして、ボクは死んだ。
死んだはずだった。
物語の始まりなんてこんなもんだ。




