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魔導士は猫になりたい  作者: 紙絵


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2/5

追手

「リン、話があるの」

祖母がいつになく真剣な表情でリンを呼ぶ。

「どうしたの?おばあちゃん」

2人は向かい合ってテーブルに座る。

「リンも17歳でしょ?私もいい歳だし、そろそろ将来のことを考えてもいいかなと思って」

「うん」

「村長さんがね、リンを息子のお嫁さんにしたいって言ってるの」

「え?私が?村長さんの息子って…大分年上じゃない?」

以前農作業を手伝った時に、おじさんだと思った記憶がある。

「確かに年上だけど、そんなに問題でもないでしょ?私の夫も10個上だったわ」

そういう事じゃない。

「おばあちゃん、私にも選ぶ権利がある」

リンは自分の意見を述べる。

結婚するなら好きな人としたい。

「おばあちゃんは、リンの将来が心配なの。私がいなくなったら、リンは1人になってしまう。家族がいたら助け合えるでしょ?」

「クロがいるから1人じゃない」

「にゃあ」

クロはリンの足下で鳴いた。

「まぁ、ちょっと考えておいて。でも、遠い将来の話じゃないってことは分かっていてね」

祖母はそう言うと出かけて行った。

村長の家に行くのだろう。

リンはしゃがんでクロを撫でながら呟く。

「クロはいいなぁ、将来の事考えなくてもよくて」

リンはため息をつく。

クロはじっとリンを見ている。

「心配してくれてるの?ありがとう」

リンはクロにキスした。


その夜、キャア!わー!

なんだか外が騒がしい。

「どうしたのかな?」

リンはそっとドアを開けて外を見る。

村の人達が走っている。

「おばあちゃん!見て!」

リンが空を指差した所に人が浮かんでいる。

あれは魔法使い?村を襲っている?

「危険だから森に逃げましょう」

祖母がリンと手を繋ぐ。

「おばあちゃん!クロがいない!」

いつも布団で丸くなっているはずなのに…

「きっと外に出たんだわ。私達も早く行きましょう!」

祖母が手を引いて逃げ出す。

他の村の人達も逃げまどっている。

「出てこい!何処にいる!」

男の声が聞こえる。大きな音もする。

何か探してる?

逃げようとした前方の森が急に燃え出した。

「ひっ!」

祖母が悲鳴をあげる。

村人もみんなパニックになっている。

「聞きたい事があるんだ。逃げるな!」

森を燃やした男が目の前に着地する。

男はローブを着て、頭にフードを被っている。顔はよく見えない。

「俺は魔術師を探してる。この辺にいるはずだ、男をかくまってないか?」

みんな口々に知らないと訴える。

「最近この村に入ってきた新人はいない。あなたが探している男性は知らない」

村長が男に訴えた。

「ほぅ。そうか。」

男は手を挙げる。手に炎が巻き付く。

「全く見つからない。むしゃくしゃするから、この村は全部燃やす事にする。」

「な!なんでそんなこと…」

リンは怒りを覚えた。

「ちょっと!それは横暴すぎる!」

リンは祖母の前に立ち、魔法使いに突っかかる。

「威勢がいいな、よほど死にたいようだ」

男が手を上げると、炎が現れる。

やられる!

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