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魔導士は猫になりたい  作者: 紙絵


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18/30

後日談

 ドラゴンが王都へ現れたその日、王都の私立図書館から本が盗まれた。

 それは、数日前に魔法学園から運ばれた禁書であった。厳重に保管されていたが、ドラゴンの騒ぎに乗じて手薄になった所をやられた。火事場泥棒と見せかけて、本来の目的は禁書だったといえる。


「よくやったな」

「はい。再びチャンスをいただけた事、感謝します」

 項垂れる少年。

「そうだな。感謝しろ」

 魔法使いは『禁忌呪文』の本をめくる。上機嫌な魔法使いは饒舌だ。

「今度は何をアイツに使ってみよう? 前回は動物になる呪いを使った。何の動物になったか確認する前に逃げられてしまったが……ふっ。あの猫が変身したのには驚いたよ」

 ただの遊びなのだろう。と少年は思った。この魔法使いは小さな子どものようだ。

「ドラゴンはそろそろやられる頃だろう。俺達もさっさと逃げようか」

 魔法使いはローブの中に禁書を忍ばせ、軽い足取りで進んでいく。対する少年の足取りは重い。


 ◇


 朝の特訓後、大きく伸びをするレイ。

「今日はこれで終わりにしよう」

「うん。ありがとうレイ」

 リンもレイに倣って伸びをする。

「リンの友達も頑張ってるみたいだね」

「ん?」

「黒髪の彼。昨日ドラゴン討伐で、しっかり防御魔法使えてたよ」

「カナタが! そっかあ!」

 小火騒ぎの時、落ち込んでいたカナタが目に浮かぶ。


 カナタ、頑張ったんだなぁ……


 微笑むリンを見るレイ。

「そんな顔して、私以外の男の事考えるなんて」

「へ?」

「妬けるね」

 リンの頬を触るレイ。

「ひゃ」


 心臓が跳ね上がる。


「朝ごはん食べようか?」

 手を差し出すレイ。レイを睨むリン。

「……うん」

 手を取ると、その手を離さぬまま二人は朝食へと向かった。

 


 もうすぐ休みが終わる。

 リンはお屋敷の図書室で課題を進めていた。

「ふぅ」

 息を吐くリン。膝に何か乗ってきた。

「レイ!」

 黒猫姿のレイだった。

「やぁリン。休憩かい?」

「うん。レイも?」

「あぁ。ここが一番落ち着く」

 丸まって眠るレイ。リンは自然とレイを撫でていた。

読んでいただき、ありがとうございます。

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